全島神域、国の天然記念物
周囲約3kmの陸続きの島。中央には江須崎明神(春日神社)が祀られていて、全島がその神域となっています。そして、その神域の森は「江須崎暖地性植物群落」として国の天然記念物に指定されています。
江須崎島の手前には、紀州ゆかりの童謡など10曲を集めた公園「日本童謡の園」と、世界一小さなエビとカニだけの水族館「すさみ町立エビとカニの水族館」があります。「日本童謡の園」を奥まで進むと、海辺に下りる階段があります。
島の入口に鳥居があります。
参道。
春日神社社務所。
社務所をくぐると、参道正面に境内社の金毘羅神社、向かって左手に本社。
本社の春日神社。
○春日明神社
村中にある。江住浦・見老津浦2ヶ村の氏神である。拝殿がある。天正4年の棟札にその時の領主周参見弥十郎諸役見老津三分之一支配也と記してある。今に至っても造営修復等は雑費は見老津が3分の1支配するという。あるいは、旧民城四郎左衛門の先祖が藤氏であるので鎮守に祭ったのを村民が信仰してついに氏神にしたという。○江洲崎明神社 境内
本社3扉 拝殿
小名江須ノ川にある。祭神は詳らかでない。当社も春日社と同じく江住浦・見老津浦2ヶ村の氏神である(寛文記に1社は大明神、1社は弁財天、1社は千手観音とあるが、土地の人は3社を合わせて江洲崎明神といっている)。○江洲崎島
江須ノ川の地方から8町ばかり離れた所にある。一名鐘木山という。島周16町半ばかり。一円に椎の木が鬱蒼と茂っている。ゆえにこの辺りの婦女は農隙に椎の実を拾って浪花へ売る。多い年は20石、少ない年は5~6石ばかりを拾うという。
とあります(現代語訳てつ)。
遊歩道を周遊
神社裏手に遊歩道の入口があります。
周囲2kmの周遊道。遊歩道の外は立ち入り禁止です。
江須崎灯台。
江須崎灯台付近からの眺め。
遊歩道を1周して、再び社殿前に。
江須崎島は、いつまでも立ち去り難いような、素晴らしい特別な場所でした。
(てつ)
2012.11.2 UP
2020.3.17 更新
参考文献
- 『紀伊続風土記 (第1-5輯)』臨川書店
江須崎島へ
アクセス:JR周参見駅から「日本童謡の園」まで車で約15分、そこから徒歩で約5分。JR見老津駅、江住駅からは徒歩で約40分。
駐車場:「日本童謡の園」に無料駐車場あり