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◆ 黒尊仏(くろそんぶつ、くるそんぶつ)  和歌山県田辺市本宮町津荷谷  津荷谷村:紀伊続風土記(現代語訳)


高さ30mを越える大岩を祭る

黒尊仏

 『紀伊続風土記』の津荷谷村の項に、

倶盧尊仏
村の東の谷にある。高さ10余丈の巌をいうのだ。疱瘡神と崇める。また鉾島ともいう。奉祭する者から村民に疱瘡護符を出す。

 とあり(現代語訳てつ)、読んだときからずっと気になっていた津荷谷の倶盧尊仏(くるそんぶつ)。

 津荷谷は今は無人で、植林されて山になっています。
 倶盧尊仏のことを知っている人が身近におらず、「行けばわかるさ」と探しに行くことにしました。

 林道「大津荷(おおつが)線」を進んでいくと、林道沿いに今は山林となった集落跡が見え、「東の谷」とあるからこの辺りかもと見当をつけて、車をとめて集落跡がある山林内に入ってみましたが、わかりません。

 結局林道終点まで行き、そこに歩く道の入り口があるので入ってみると、下の画像の案内板がありました。

黒尊仏

 「黒尊仏 これより400m」。黒尊仏。字は違うけれども倶盧尊仏のこと。
 この案内板がなければきっとたどり着けませんでした。

黒尊仏

 丸太で作った橋がかかっていました。

黒尊仏

 谷沿いの道を遡っていきます。緩やかなわずかに登りの道。

黒尊仏

黒尊仏

 また案内板が。

黒尊仏

黒尊仏

 この奥に黒尊仏が。

黒尊仏

 この岩が黒尊仏。ここへ来るまで徒歩10分ほど。

黒尊仏

 高さ30m以上の大岩がそそり立ちます。

黒尊仏

 石灯籠や小さな金属製の鳥居が。

黒尊仏

 神として祭られるのも納得の、圧倒的な存在感を放つ大岩。

黒尊仏

 私の写真ではその大きさを伝えられませんが、こんな場所にこんなすごいものがあったのかと驚かされました。

 『紀伊続風土記』には「疱瘡神と崇める」「奉祭する者から村民に疱瘡護符を出す」とあります。疱瘡神(ほうそうがみ、ほうそうしん)は、疱瘡(天然痘)を擬神化した悪神。 疱瘡(天然痘)は、非常に強い感染力と高い死亡率のために恐れられた感染症。疱瘡神に祈ると疱瘡をまぬがれると信じられました。

 また『紀伊続風土記』には「また鉾島ともいう」とあり、川湯温泉の背後にある飯盛山の山頂近くにかつてあった大岩ホコジマさんもこのような感じだったのかなと想像しました。

 「くるそんぶつ」とは、倶留孫仏、拘留孫仏などとも書き、過去七仏(釈迦仏までに登場した7人の仏陀。第七仏が釈迦仏)の第四仏。なぜ、この大岩が「くるそんぶつ」と呼ばれるのでしょうか。

(てつ)

2010.12.17 UP
2010.12.23 更新
2011.1.20 更新
2011.2.11 更新

 ◆ 参考文献

紀伊続風土記 』臨川書店

 

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アクセス:林道大津荷線を終点まで、そこから徒歩で10分。林道は道幅が狭く、未舗装です。運転の苦手な方はご無理なさらないように。途中三叉路になっている所がありますが、そこは左の谷沿いの道を行きます。
駐車場:林道終点に駐車スペースあり
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