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◆ 潮御崎神社(しおのみさきじんじゃ)  和歌山県東牟婁郡串本町潮岬2878番地   上野村:紀伊続風土記(現代語訳)


周辺海浜18ヶ村の総産土神

 潮御崎神社は潮岬灯台の近くに鎮座します。

潮御崎神社鳥居

 主祭神は少彦名命(すくなひこなのみこと)。
 『日本書紀』に「少名彦命行きて熊野の御崎に至りて遂に常世郷(とこよのくに)に適(いでま)しぬ」とあり、海辺にある「静之窟(しずのいわや)」に少彦名命を勧請したのが始まり。
 その後、「静之峯」遷座、またその後に「潮見の端」へ遷座。1869年(明治2年)に潮岬灯台建設のため、旧社地「静之峯」に遷座。

潮御崎神社拝殿

 『紀伊続風土記』の上野浦の条には以下のようにあります(口語訳てつ)。

御埼大明神社  境内周8町
 本社  祀神 少名彦命 5尺、4尺4寸 向拝出端4尺5寸
 末社  高御産霊神社 大己貴命石宝殿 大神宮石宝殿
  拝殿  御供所
村の坤(※西南※)8町ばかり、潮岬にあって周参見荘周参見浦から三前郷津荷村まで海浜の18ヶ村の総産土神である。串本浦笠島という地に本宮と称する神社がある。これが御埼明神の旧地で、そこから今の地に遷し奉ったという。その年月は詳らかでない。社領高は2石7斗4升7合ある。

『日本書紀』に「その後、少名彦命行きて熊野の御崎に至りて遂に常世郷に適でましぬ」とある。この地が少名彦の神の周旋しなさった地なので、この地に鎮座しなさるのだ(一説に『日本書紀』の熊野御埼は出雲国であるともいう)。社殿の宝物に書写の大般若経六百巻がある。巻尾に御埼の宝経永享六三月十三日と書いてある。那智山の末社である。

 江戸時代には御崎大明神社といわれ、周辺の海浜の18ヶ村の総産土神として崇敬されました。

潮御崎神社鳥居

 拝殿前に御綱柏という木が。

串本町指定文化財
御綱柏(みつながしわ)S.56.6.1指定
記紀にいう御綱柏は「16代仁徳天皇の后磐之媛が豊楽(宮中での酒宴)をなさろうとして熊野岬へ御綱柏を採りにこられた」とある。古代のロマンを秘めて幾星霜を、温存されてきた植物であり、当地ではこの「マルバチシヤの木」を御綱柏と言い伝えてきた。

 『紀伊続風土記』の上野村の条より御綱葉について(口語訳てつ)。

●また『日本書紀』に、仁徳天皇の皇后が熊野岬に至り御綱葉をお採りになったということがある。(中略)御綱葉は、古書に載っているが形状を述べていない。中古より今に至って諸説紛々として適当な説がない。

本国及び和泉伊勢志摩その他南方の海に近い地に産する1種の木がある。俗に「みつて柏」というものの属で、樹高は高くなり、葉ははなはだ厚く硬くて光沢がある。葉の表は深緑で、裏は淡い。大きさは3〜4寸ばかり。形はみつて柏のように切れ込みは深くなく円くて3尖がある。ゆえにみつて柏に対して「円みつて」という。夏月の頃、小さな白い花が集まり開き、秋になって黒い実を結ぶ。この葉は春夏秋冬凋落しない。葉心が凹みやすく物を盛るのによい。これが三角柏であることは疑いない。この木はこの地に多く生える。土地の人は「みつ木」という(いま俗に三角柏という木があるが、その木は10月頃に落葉するので『日本書紀』の文に適いがたく誤りである)。

 

静之窟

 始まりの場所、「静之窟」。

潮見の端

 今は灯台が建つ「潮見の端」。

潮御崎神社

 潮岬灯台から望む「静之峯」。

 ◆ 参考文献・参考サイト

紀伊続風土記 』臨川書店

和歌山県神社庁-潮御崎神社 しおのみさきじんじゃ-

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アクセス:JR串本駅から熊野交通バス潮岬行きで15分、灯台前バス停下車、徒歩5分 
駐車場:有料駐車場あり(300円)
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2012.7.10 UP

 

 


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