み熊野ねっと 熊野の深みへ

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数百年の時を経て熊野に里帰りする花祭を迎えて

奥三河の花祭 熊野公演のために用意した原稿

2018年12月8日(土)に開催した奥三河の花祭熊野公演のために準備した原稿です。熊野本宮大社旧社地大斎原にて開催。公演に先立って5分ほど話をさせていただきました。

 

みなさま、こんにちは。熊野本宮大社氏子総代、そして本日の奥三河の花祭熊野公演の主催者である熊野でテホヘ実行委員会の副会長の大竹哲夫と申します。本日はご多用のところお越しいただき、まことありがとうございます。

今年は熊野本宮大社が御創建2050年、そして愛知県北設楽郡の奥三河の花祭の保存会のみなさまが高円宮殿下記念地域伝統芸能賞を受賞されたという両者にとって喜ばしい記念すべき年です。そのような年に花祭熊野公演を開催できたことをとても嬉しく思います。この日のために愛知県東栄町の月地区からいらしてくださった月花祭保存会のみなさま、まことにありがとうございます。また関係者のみなさま、ご協力くださったみなさま、まことにありがとうございます。

熊野花祭
 切目の王子

いよいよこれから歴史的な瞬間を迎えます。熊野三山ではかつて湯立神事というものが行われていました。お湯を沸かして神様に捧げて、そのお湯で人々を清めるという神事が行われていました。その熊野の湯立神事が山伏、修験者によって愛知県の奥三河に伝えられて、それが奥三河で独自に発展を遂げてできあがっていたのが奥三河の花祭だと考えられます。

残念ながら熊野三山で行われていた湯立神事はいまは湯釜を残すだけで、神事そのものは失われてしまいました。それはとても残念なことなのですけれども、しかしながら、本日、熊野から伝わった湯立神事が、数百年の時を経て、ここ熊野本宮大社旧社地大斎原に里帰りします。この歴史的な瞬間にみなさまとともに立ち会えることをとても幸せに思います。熊野花祭
 湯立て

熊野花祭
 一の舞

熊野はかつては日本の宗教の中心地でしたので熊野信仰が成立に関わる民俗芸能は全国各地にあるんですけれども、それらのなかでいちばんの代表といえるのが、奥三河の花祭です。花祭はそれを知らなければ日本の伝統芸能は語れないと言われるほどの日本を代表する民俗芸能です。

重要無形民俗文化財の指定制度が作られたとき、その最初期に花祭は国の重要無形民俗文化財に指定されました。そのような素晴らしい日本が誇る民俗芸能ですが、花祭はかしこまって椅子に座ってじっとおとなしく鑑賞するようなものではありません。

花祭は鑑賞するものではなく一緒に楽しむものです。月の方々とともに歌い、舞い踊り、そしてまた後半になってからですが、味噌を顔に塗られたり、ご飯を顔に塗られたり、お湯を浴びせかけられたりしますが、ぜひとも積極的に受けに行ってください。この歴史的な出来事の単なる鑑賞者、単なる目撃者になるのではなく、この歴史的な出来事の参加者になっていただけたらと思います。

熊野花祭
 榊鬼

たまたまですが、本日、東京では東京花祭りが開催されています。今年で第26回目だそうです。東京花祭りも盛り上がることと思います。ぜひ熊野でも熊野花祭を盛り上げましょう。みなさま、よろしくお願いいたします。

それからあちらのテントではコーヒーや食べ物、月の方々が作った記念品などの販売しております。売上の一部はこの公演の運営費にさせていただきますので、どうかご協力お願いいたします。また1口3000円からのご寄付も受け付けていますので、お申し出ください。

私の話は以上です。楽しんでください。ありがとうございます。

熊野花祭
 おつるひゃる・みこ

熊野花祭
 山割鬼との記念撮影

熊野花祭
 湯ばやし

熊野花祭

熊野花祭

熊野花祭

熊野花祭

熊野花祭

こちらは私の話を3分ほどにまとめた動画です。ぜひご覧ください。

(てつ)

2018.12.10 UP
2019.12.8 更新

参考文献