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◆ 古典に見る熊野本宮参拝の模様


 古典に見る熊野本宮参拝の模様。

増基法師いほぬし』より

 それより三日の後、御山(みやま。ここでは熊野本宮に着いた。ここかしこ巡って見ると、庵室が二、三百ほどあり、それぞれが思い思いにしている様子もたいへん趣深い。親しく知っている人のもとに行ったところ、蓑を腰に衾(ふすま。寝るときに上にかける夜具)のように引きかけて、ほだくい(榾材。燃え尽きずに残った木。燃えさし)というものを枕にして、ごろ寝していた。

 「おいおい」と声をかけると、目を覚まして、「早くお入りなさい」と言って、庵室の中に入れて、もてなそうとして、碁石筍(ごいしけ。碁石入れ)の大きさである芋の頭(いもがしら。里芋の根元の固まり、親芋)を取り出して、弟子に命じて焼かせる。「これぞ芋の母」と言うと、「それならば乳の甘さであろうか」と言うと、「子どもに食わせたいものだ」と言って、あれこれと世話を焼いてくれる。そうこうしているうちに、鐘が鳴ったので、御堂へ参った。

 頭を引き包んで蓑を着て、ここかしこに数え切れないほどの人々が詣で集まって、例時の作法(定めた時刻に仏前で勤行すること)が終わって、退出するが、僧正の御前に止まる者もあり、礼堂(証誠殿の前にあった礼拝読経のための建物)のなかの柱の元に蓑を着て、忍びやかに顔を引き入れている者もあり、額突き、陀羅尼を読む者もある。声が一緒くたになって聞きにくく、無遠慮だと聞こえる声もある。

 このように本宮の神様のおそばにいるうちに霜月(陰暦の十一月)の御八講(はこう。法華経八巻を八座に分け、一日に二座講じて四日間で終える法会)になった。その有り様は普段と異なり、しみじみとして貴い。……

 

 古典に見る熊野新宮参拝の模様

 古典に見る熊野那智参拝の模様

(てつ)

2009.8.6 UP

◆ 参考文献

『本宮町史 文化財篇・古代中世史料篇』
みえ熊野の歴史と文化シリーズ1『熊野道中記
 いにしえの旅人たちの記録』みえ熊野学研究会編
増淵勝一『いほぬし精講』国研出版

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■熊野本宮の観光スポット

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本宮大社旧社地 大斎原
真名井社
祓戸王子
発心門王子
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川湯温泉
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