■ 熊野の説話

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◆ 唐見の松


丹鶴姫之碑 和歌山県上富田町岡の八上神社の森に、以前、唐見の松と呼ばれた大木があったそうです

 ある年の秋、里の者が話をしているところへ、旅の僧がやって来て、八上神社の森のなかの大きな松に気づき「あんな木は国内でも3本とないだろう」と言った。
 それを聞いた里の若者は「あの松の梢まで登ったら、どこまで見えるか」と旅僧に尋ねた。
 旅僧は「平安の都でも唐の都でも見える」と答えて、いろいろと唐の話をしたあと、立ち去っていった。

 幾日か経って、若者は松に登った。下で里の者が見ていると、ずっと上の高い所から「おーい。よく見えるよ。唐の都も手に取るようだ」という声が聞こえて来た。
 しばらくして地上に降りて来た若者は、まるで別人のようになって、見てきたことを話した。このこと以降、この松の大木のことを唐見の松と呼ぶようになった。

 その唐見の松は江戸時代末期に枯れてしまったそうです。

(てつ)

2009.8.13 UP

 ◆ 参考文献

くまの文庫2『熊野中辺路 伝説(下)』熊野中辺路刊行会

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