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◆ 三河の国の宗次郎さん


 和歌山県田辺市中辺路町水上、県道198号線(水上栗栖川線)沿いの大瀬戸という所に三宗明神(さんそうみょうじん)があります。宗次郎明神ともいい、昔ここにいた山伏を死後に祀ったものです。 Yahoo!地図(ちょっと場所が違うかも)

三宗明神

 県道沿いに看板が出ています。看板には「病気平癒・受験合格・鳥獣害防止等の三宗明神 元祖・一願明神(宗次郎さん)」とあります。鍛冶川にかかった明神橋を渡ると2〜3台とめられる駐車スペースがあります。

三宗明神

 橋を渡った所から写した写真。解説板があります。

   宗次郎明神縁起

昔、二川温川地区に体躯堂々音声朗々気品高き1人の山伏が現われて「自分は三河の国から来た宗次郎と云う者、元はれっきとした武士であったが釈尊の教えに感動し山伏になった。全国各地を修験して参ったが年もとって来たので此の地に住まわせてもらえないか」と言った。ところで此の山伏、呪文を唱えるとどんな錠でもたちどころに開けるので土地の人々はこんな物騒者はおくわけにはいかないと断った。暫くして此の山伏、水上地区の大瀬戸に来て「此の地は深山幽谷千古斧鋸を許さぬ森林あり水あり滝ありで修行には非常によい処、是非おいて欲しい」と言うので人々は喜んで受け入れた。

その後修行と人助けを続けていたが天寿を全うして逝く時に「此のご恩に報いるために広く世の人々の難病を治し作物を鳥獣の害から護る」と言い遺したと伝えられる。その後田畑に鳥獣の害なく信心するものは難病が全快し学問に励み受験に挑む人々には大いなる加護が授けられると信仰せられるようになった。爾来水上地区の人々はその徳を慕いここに祠を建て毎年1月23日を例祭として盛大に祭事が行われるようになった。

世に宗次郎明神と称せられるほか三宗明神とも呼ばれているが、これは三河の国(愛知県)から来た宗次郎との意味で尊称されたものと伝えられる。

平成6年初秋吉日謹誌

中辺路町水上区

三宗明神

 解説板の横から山に入ります。登ってすぐの所に祠があります。

三宗明神

 周囲は杉林。

三宗明神

三宗明神

(てつ)

2010.9.26 UP

 ◆ 参考文献

くまの文庫3『熊野中辺路 伝説(下)』熊野中辺路刊行会

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