■ 熊野の説話 |
|||
|
|
||
◆ 往生の日 |
|||
北野天満宮の『北野縁起』(下)に次のようなお話があります(『群書類従』二)。 承久二年(1070)九月の頃、仁和寺の池上という所に五十歳ばかりの西念と申し上げる僧がいて、北野に百日籠って、終日祈請することがあった。 「西念はすでに年来の望みが叶いました。この正月、熊野那智山に百日籠り、臨終正念(正しい心の状態で死に臨むこと)して極楽に往生すると定まった日はいつの日なのかをお示しください、と祈請しました。 そのような示顕をこうむりましたので、額突いて参詣して祈っていますと、この暁、まどろんでいましたところ、夢にもあらず現とも識別できず、御殿から直衣(のうし。貴族の男子の平伏)の袖だけを差し出して、 と、西念は語って泣きながら出て行った。 熊野本宮の本社は証誠殿(しょうじょうでん)と呼ばれます。証誠殿とは、念仏者の極楽往生を保証する神様がいらっしゃる社殿ということ。 熊野三山はそれぞれにそれぞれの主祭神を祀りあっているので、証誠殿は本宮だけでなく、新宮・那智にもあります。 熊野の神様もすごいだろうけれども北野の神様もすごいよ、というようなお話ですね。 (てつ) 2005.8.6 UP ◆ 参考文献
|
Loading...
Loading...
|
amazonのおすすめ |
|
|
|||
|
|||