■ 熊野の歌

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◆ 有馬の村


■ 有馬の村

岩田川 有馬の村は、現在の三重県熊野市有馬町。イザナミの墓所と伝わる花の窟(はなのいわや)があります。

 『日本書紀』には「一書に曰く」として次のようなことが書かれています。

 イザナミは、火の神カグツチノカミを生むときに、陰部に大火傷を負って死んでしまう。その遺体は紀伊国の熊野の有馬村に葬られる。村人は、この神の魂を祭るのに、花のときは花をもって祭り、鼓・笛・幡旗をもって歌ったり舞ったりして祭る。

 現在でも花の窟では、毎年2月2日と10月2日に、『日本書紀』にあるような、花を飾り、舞を捧げる「お綱掛け神事」という神事が行われます。

・公能(きんよし)の歌。

紀の国や有馬の村にます神に手向る花は散らじとそ思ふ

(訳)紀の国の有馬の村にいらっしゃる神に手向ける花は散ることはあるまいと思う。

・光俊朝臣の歌。

神まつる花の時にやなりぬらん有馬の村にかかるしらゆふ

(訳)神に花を供えて祭る時になったのだろうか。有馬の村にかかる波が白木綿のようだ。

・詠み人知らず。作者不詳の歌。

春風に木ずゑさきゆく紀の国やありまのむらにかみまつりせよ

(訳)春風に梢が次々と咲いてゆく紀の国であることだ。有馬の村で神祭りをせよ。

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 花の窟の歌はこちら。

(てつ)

2007.6.1 UP

 ◆ 参考サイト

花の窟神社

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歌の作者:
・公能…1首
・光俊…1首
・作者不詳…1首

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