■ 熊野の歌

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◆ 平兼盛


 平兼盛(?〜990)は村上天皇時代の有力歌人で、三十六歌仙のひとり。家集に『兼盛集』があります。『小倉百人一首』の40番の歌「忍ぶれど色に出(い)でにけりわが恋は物や思ふと人の問ふまで」は兼盛の歌。

『拾遺和歌集』

屏風にみ熊野の形描きたる所

さしながら人の心を見熊野の浦の浜木綿幾重なるらん

(兼盛 巻第十四 恋四 890)

ありありとあなたの心を見てしまった。み熊野の浦浜木綿の葉が幾重にも重なっているように、あなたの私を隔てる心の壁は幾重にもなっているのだろう。
「み熊野の浦の浜木綿」は「百重なる」や「幾重なる」などの序詞。

(てつ)

2005.9.1 UP

 ◆ 参考文献

新日本古典文学大系7『拾遺和歌集』岩波書店

 

 

■平兼盛の熊野関連の歌
拾遺集…1首

■登場する熊野の地名
み熊野の浦…1首

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