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七里御浜(しちりみはま)

 三重県熊野市、南牟婁郡御浜町、紀宝町

約7里にわたって続く神様の浜

七里御浜

 熊野灘に面して鬼ヶ城から熊野川河口までゆるやかな弧を描き、20数km(約7里)、3市町にわたって続く、小石と砂からなる平坦な美しい海浜。

 「日本の白砂青松百選」「21世紀に残したい日本の自然百選」「日本の渚百選」「日本の名松百選」に選ばれています。またアカウミガメの産卵地としても知られています。

 七里御浜は『紀伊国名所図会』の「熊野編第三巻」には以下のように記されています(てつ訳)。

七里御浜

木本より井土、有馬、市木、阿田和、井田を経て鵜殿に至る間の海浜を称して七里御浜という。途上青松白砂の間に断続連接し、井田の八町松原、市木松原、有馬松原など、最も風景に富んだ所といえる。この松原はかつて南龍公(なんりゅうこう:徳川頼宣、紀伊和歌山藩初代藩主、紀州徳川家の祖)に随従して当地に入国した新宮の城主・水野重仲が旧領遠州浜松より苗木を取り寄せて移し植えた由が伝えられる。

 七里御浜の松林は新宮藩初代藩主・水野重仲が浜松から苗木を取り寄せて植えたものだとのことです。

七里御浜

 美しい海岸ですが、波が荒く、海が急に深くなっているため遊泳禁止となっています。

浜伝いの熊野詣の道

 七里御浜は単に美しいだけでなく、熊野参詣道(熊野古道)伊勢路の一部として使われてきたという文化的な価値も有しています。JR熊野市駅の辺りから新宮、熊野速玉大社までは七里御浜の浜辺の道が使われ、「浜街道」あるいは「巡礼道」と呼ばれました。

 だからこそこの海岸は御浜と呼ばれるのでしょう。「みはま」は、神様のものであることを表す接頭語「み」+「はま」で、神様の浜を意味するのだと思われます。

七里御浜

 熊野市駅から浜伝いに40分ほど歩くと、イザナミノミコトの墓所と伝わる花の窟まで来ますが、その近くに、そのまま浜伝いに新宮に向かう「浜街道」と、内陸に入り本宮へ向かう「本宮道」との分岐点があります。

  浜街道ではいくつかある川の河口が難所で、河口渡りの際に波にさらわれ、命を落とした巡礼者も少なくなかったということです。

七里御浜

 熊野古道「浜街道」の全行程を歩く場合はJR熊野市駅からJR新宮駅まで約26kmを歩くことになり、約9時間かかります。砂利浜を歩くので、平坦な道ですが体力は意外に消耗します。
 JR阿田和(あたわ)駅の辺りがだいたい中間点になりますので、2回に分けて歩くというやり方もできます。熊野市駅から阿田和駅までは約12.2km、約4時間、阿田和駅から新宮駅までは約14.4km、約5時間。

県境をまたぐ移動自粛要請が解除されて久しぶりに訪れた七里御浜

 2020年6月、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために他府県をまたぐ移動の自粛要請が解除されて久しぶりに七里御浜を訪れて、嬉しくなって動画を撮りました。

動画

 動画を作りました。2分半ほどの動画です。ぜひご覧ください。2019年6月撮影。

(てつ)

2003.5.2 UP
2005.12.7 更新
2011.11.18 更新
2013.7.21 更新
2020.6.5 更新
2020.11.8 更新
2022.2.20 更新

参考文献

七里御浜へ

アクセス:JR熊野市駅、阿田和駅などから徒歩約5分
駐車場:無料駐車場あり

熊野市の観光スポット