■ 熊野の本 | ||||||
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◆ 五来重『熊野詣 三山信仰と文化』講談社学術文庫 |
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レビュアー:てつ(2005.8.1 UP) 熊野は「死者の国」であったという。 本書は、仏教民俗学の巨人、五来重(ごらいしげる。1908〜1993)が、熊野は「死者の国」であったという視点から書いた熊野の手引書。 古代人は死者の霊魂が籠る国がこの地上のどこかにあると考えていた。そして、その死者の国が熊野にあると考えられた。 新宮や本宮の上流の十津川筋では遺体を河原の砂礫に埋めたので、大水が出ると下流に流された。それらの遺体は本宮や新宮の地に流れ寄り、そのことからかの地は祀られ、神社化したのかもしれない。 古代宗教は、死者信仰と死者儀礼を根底に置く。そのような古代信仰を最も濃厚に残していたのが熊野であり、そのため、熊野はいつまでも「死者の国」の神秘を失わなかった。 「死者の国」などは本来、身近な所にどこにでもあるものだと思います。人がいる所、どこでも人は死ぬのですから。 【目次】 第1章
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五来重さんの著作(Amazonへリンク)
円空と木喰
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