熊野神社:千葉県成田市吉倉537
TVカメラマン 渡辺 澄さんからご投稿いただきました。ありがとうございます。
無病息災と五穀豊穣を願う湯立神事
成田市吉倉にある共同利用施設前から軽自動車が通るぐらいの坂道をおよそ150mほど登ると、吉倉熊野神社の鳥居前に到着します。神社はそこから10mほどの石段を登った小高い山の上にありました。本殿は平成10年に立て替えられた5m四方ぐらいの小さな神社です。
毎年3月1日午後1時から、無病息災と五穀豊穣を願い、その年の吉兆を占うを願う神事、湯立神楽が行われます。
白梅が咲いた本殿前で、吉倉の旧東地区と法華塚大日地区の氏子たちによって年番で宿元が世話役となり、四隅に竹を立て注連縄を張った結界が作られ、中央に大釜を据え付けて煮えたぎった湯が準備されたあと、神職が厳かに祝詞とお祓いを行い、氏子全員が玉串奉奠をします。
その後、結界四隅の幣束を付けた4本の篠竹を煮えたぎった大釜の中で勢よくかき混ぜたあと一気に抜き取り、渦を巻いた湯柱が高く上がるほど豊作になると伝えられています。
続いて熊笹を煮えたぎった大釜に入れ、氏子の頭上で勢いよく振りかざした時、その湯の滴を浴びると1年間無病息災で過ごせると伝えられています。
また、お湯で消した炭と熊笹・幣束を麻ひもで縛り、自宅の荒神様にお供えするとその年は火災に遭わず風邪もひかないと言われています。
この湯立神楽は、吉倉地区の繁栄と地区住民が一同に会する行事として大切に伝えられています。
※画像は平成30年(2018年)3月1日に行われた吉倉熊野神社の湯立神楽を撮影したものです。
Thanks TVカメラマン 渡辺 澄さん
2018.3.8 UP
No.173-2