熊野本宮大社例大祭の幕開け
1月8日、午後12時より本宮町湯の峰地区の「東光寺」(とうこうじ・山号薬王山)にて、毎年恒例の「湯峰八日薬師祭」の法要が行われます。
東光寺は裸形上人を開基とする天台宗の寺院で、約1800年前の成務天皇の時代に熊野国造によって発見され日本最古の温泉といわれている「湯峰温泉」にあります。寺院の開祖とされる裸形上人は温泉の「湯ノ花」が石化して形成された薬師如来を見出し、その胸から湯が湧き出していたことから「湯胸薬師(ゆのむねやくし)」とし、次第に信仰を集めるに至り、平安時代には、弘法大師や慈覚大師などの高僧も訪れました。
本日の法要では湯の峰温泉のお湯が献湯され、東光寺の住職さんにより、温泉の繁栄や厄払いの祈願、参列者・祈願者への御祈祷などが行われました。そしてこの日だけは本堂が御開帳され、いつもは拝観できない御本尊の「湯胸薬師」さん(大きな石仏で、胸には湯が湧いていたとされる穴があります)を拝観させていただけます。お堂内壁の上部にも、数体の仏像が拝見できました。
法要の後は、本宮町のお祭り恒例の「餅まき」です。約1時間にわたる法要の間に、ふりかえるといつの間にか大勢人が増えて待っていました。
お堂の前から住職さんや地区の方々により、紅白のお餅がまかれました。中には「寿」と書かれたお餅や、直径10cmはあろうかという大きなお餅もありました。老若男女、皆一生懸命お餅を拾っていました。
法要と餅まきが終了すると、まもなく御本尊である湯胸薬師さんの御開帳も終了します。
(そま)
2004.1.8記
2008.6.1 UP
2023.8.17 更新
参考文献
- 『本宮町史 文化財編 古代中世資料編』