鳥居も社殿もなし、森そのものが神社
神戸神社は、古座川町高池、互盟社会館の近くにあります。
神戸神社は「こうべじんじゃ」「こうどじんじゃ」「かんべじんじゃ」と複数の呼名がありましたが、今は「こうどじんじゃ」と呼んでいます。
鳥居はなく、社殿もありません。
奥に写っている社殿は、あとから勧請された境内社の稲荷神社のもので、神戸神社の本殿ではありません。
『紀伊続風土記』の高川原村の条には以下のようにあります(口語訳てつ)。
○神殿(こうどの)明神森 村の中にある。木を神体とする。
この神殿明神森が今の神戸神社。
神戸神社の社叢は古座川町の天然記念物に指定されています。以下、境内にある説明板より。
古座川町指定文化財
天然記念物 神戸神社の社叢この地方の本来の森林である照葉樹林の姿をよく保存している。
たとえばイスノキ・ヤマモガシ・ヤマビワ・ミミズバイ・ヤブツバキ・モチノキ・バリバリノキ等がみられる。
樹木の種類だけでも50種を数え、この植物群落の豊かさと複雑さを示している。
なかでもタシロランは希少な腐生植物で栽培の不可能な自生地の保護の必要なものである。平成7年7月20日指定
古座川町教育委員会
森そのものが神社であったというかつての神社のあり方を今に伝える貴重な神社のひとつです。
(てつ)
2012.8.13 UP
2020.5.20 更新
参考文献
リンク
神戸神社へ
アクセス:JR古座駅から車で約8分
駐車場:なし
(旧・古座川町池宮ノ下323)