古くから和歌にも詠まれた名所
那智勝浦町の西端近く、串本町に近い玉の浦海水浴場。
万葉の時代から和歌にも詠まれている名所です。
荒磯(ありそ)ゆもまして思へや 玉の浦の離れ小島(こしま)の夢(いめ)にし見ゆ
(『万葉集』巻第七 雑歌 1202)
(訳)荒磯よりもいっそう心惹かれたからか、玉の浦の離れ小島を夢にまで見えることだ。
わが恋ふる妹(いも)は会はさず 玉の浦に衣(ころも)片敷き ひとりかも寝む
(『万葉集』巻第九 雑歌 1692)
(訳)私が恋しく思うあなたは会ってくださらない。玉の浦に着物を敷いて一人寝することであろうか。
姫宮
この浜には、姫宮(ひめのみや)という神社が祀られていました。
その由来は、
昔、粉白浜にお姫様の死体が入った箱が打ち上げられた。箱の中には手紙があり、その手紙には「私を丁寧に葬ってくださったならば、女の人の腰から下の病気を治します」と書かれていた。付近の人たちは丁寧に葬り、お祀りをした。
とのこと。
姫宮は現在、下里神社に合祀されています。
姫の宮跡
(てつ)
2006.3.14 UP
2020.8.9 更新
参考文献
玉の浦海水浴場へ
アクセス:JR下里駅から徒歩20分
駐車場:有料駐車場あり