■ 熊野の説話

 み熊野トップ>熊野の説話

◆ 巨勢金岡、筆を投げ捨てること


 平安前期の宮廷画家、巨勢金岡(こせのかなおか)の熊野詣の道中でのお話。

 巨勢金岡は熊野への途中、藤白坂で童子と出会い、絵の描き比べをする。金岡は松にウグイスの絵を、童子は松にカラスを描いた。甲乙つけがたかった。
 そこで2人は、描かれたウグイスとカラスを、手を打って追いはらう格好をした。すると2羽とも絵から抜け出して飛んでいった。
 そこで今度は、童子がカラスを呼ぶと、どこからかカラスが飛んできて絵の中におさまった。しかし、金岡のウグイスは金岡が呼んでも戻ってこなかった。金岡は悔しさのあまり持っていた筆を松の根本に投げ捨てた。
 それから、その松は「筆捨松」と呼ばれるようになった。童子は熊野権現の化身であったといわれている。

(てつ)

2008.1.27 UP

 ◆ 参考文献

宇江敏勝監修『熊野古道を歩く (歩く旅シリーズ)』山と渓谷社

 

 

amazonのおすすめ


み熊野トップ>熊野の説話