『熊野山略記』の「三山御在所ノ事」、那智山について。
那智山は神龍が地に伏せた胎金の権跡である。このため、神龍の頭上に如意輪堂を建て、尾上に滝本拝殿を建てる。仏法の力で神龍が出てこないようにする計略である。
毎年5月4日の夜、滝本より60体が面を上げ、火を燃やして如意輪堂へ参る。龍蛇が火焔であることの表示である。滝本から如意輪堂への通路は龍蛇の背の上である。
龍の頭は如意輪堂、胸は妙法山、腹は最勝峯、尾は光ヶ峯との伝承もある。
(てつ)
2010.1.24 UP
2021.1.26 更新