伊勢へ七度熊野へ三度
十返舎一九作の滑稽本『東海道中膝栗毛』二編上「浮世道中膝栗毛後編」に、
さてもわれわれ、伊勢へ七度熊野へ三度、愛宕さまへは月参(いせへななたびくまのへさんど、あたごさまへはつきまいり。信心の厚いことをいう)の大願を起し、
とあります。
『東海道中膝栗毛』は、江戸の町人で男色関係にある弥次郎兵衛と喜多八が東海道を大阪まで行く道中を描いたユーモア小説。ちなみに「膝栗毛」とは膝を栗毛の馬に代えて歩くということで、徒歩で旅をするということ。
『かぶきそうし』の踊歌に、
茶屋のおかかに末代そはば、伊勢へ七度熊野へ三度、愛宕様へは月まゐり
とあり、また、
お伊勢七度熊野へ三度、お多賀さまへは月参り
伊勢へ七度熊野へ三度、芝の愛宕は月参り
といった俗謡もありました。
(てつ)
2008.4.4 UP
2020.3.28 更新
参考文献
- 新編日本古典文学全集 (81)『東海道中膝栗毛』小学館
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