御神楽祭りが行われる熊野神社、南北朝時代に熊野別当一族が勧請
(旧北設楽郡富山村字大谷4番地)
旧富山村は、昭和158年(1983)人口217人となり日本最小の村になるなど愛知県の東北端に位置し、静岡県、長野県、岐阜県に囲まれた山間の集落です。帰途、薄暗い路上で日本鹿を目撃しました。
村の東になる静岡県境を天竜川が流れ、険しい渓谷の道は南北朝時代の落人伝説、熊野や白山の修験者道ともなり、その文化が霜月(旧暦11月)から春まで域内の三信遠(愛知、長野、静岡)各地で「花祭」が 挙行されます。
この富山大谷熊野神社では「御神楽(みかぐら)祭り」という名称で正月3・4日に行われます。
昭和51年、重要無形民俗文化財の指定を受けていますが、住民特に若者の減少により存続が危ぶまれています。
集落の裏手にある神社の参道入り口 。参道は巨木に囲まれています。
左は拝殿・奥に神殿と右が舞処です。
横から見た舞処、奥に拝殿です。白いには湯立ての炉です。
神社から見た佐久間湖です。対岸は静岡県の旧水窪町です。
水窪から当地まで40数キロ、車で90分の移動時間でした。
御祭神
伊邪那美命 速玉男命 事解男命
御由緒
社伝に紀州室郡田辺別当偏の四男藤四朗国量(くにかず)という浪士が河内村に落ちてきて、正平元年(1346)に大谷に移り住み、同年3月2日、熊野三社権現、八幡宮、春日大明神を祀ったという。
のち当村の産土神として崇敬する。
昭和50年11月、ダム建設により水没した佐汰、河内、下中山の三社を本社に合祀した。
(愛知県神社名鑑)
(河合さん)
No.1148
2009.12.4 UP
2010.1.10 更新
2022.3.30 更新
参考文献
- 『愛知県神社名鑑』