み熊野ねっと 熊野の深みへ

鷹見神社;福岡県北九州市八幡西区市瀬70

大門さんからご投稿いただきました。ありがとうございます。

役行者による勧請

鷹見神社本殿

本殿の位置のGPSデーターは、
北緯:33度50分3.92秒、東経:130度46分38.13秒、標高:171.00m

祭神:伊弉冊尊(いざなみのみこと)、速玉男命(はやたまおのみこと)、事解男命(ことさかおのみこと)

6月に最初に参拝して以来、何度か訪れていますが、私の第一印象は、この神社は熊野ではなく吉野だという事です。

「吉野の修験道」を、北九州で再現したのだと思います。

北九州市は、八幡製鉄所などの埋立地や人工的な市街地が広がっているのですが、この神社は、市街地や工場地帯から離れた権現山の西の山麓に位置します。

権現山の山麓から山頂までが、この神社の管轄で、修験の道であり、豊かな森です。

割子川の源泉にも近く、水も清らかで、様々な蝶や蛙が棲息していて、蛍もいるらしく、標高が高いこともあり、体感温度も市街地よりかなり低いです。

鷹見神社鳥居

鳥居をくぐり、権現橋という太鼓橋をわたって、境内に入ります。

鷹見神社鳥居

一宮。二つ目の鳥居の近くにあります。

鷹見神社本殿

三つ目の鳥居をくぐると、本殿に着きます。
最初の鳥居との標高差は、すでに約30mあります。

鷹見神社本殿

神社には、八咫烏は祭っておらず、社紋として「丸に違いの鷹の羽」を飾っています。

宮司さんの話によると、名前は同じ鷹見神社でも、本宮と分祀された神社では、左右の羽の上下が異なっているそうです。

役行の森の入り口

ここから山頂の奥宮まで、道程で約2km、標高差約450mの森を登ります。
共用の杖を借りることが出来ます。

杖は、八合目の社僧六坊趾に返却用の筒があるので、そこに返します。

中年男性の私で、登り片道約2時間の登山です。

登山靴や、夏場は、水筒、帽子、タオルや虫除けスプレーなど、準備が必要です。

役行の森

かなり厳しい山道です。
この写真では詳細は写っていませんが、道の脇には、多くの方が、個人や子供の名前で様々な苗木を寄進されています。

この森を守って、次の世代に伝えたいという想いが伝わります。

三宮趾

三宮趾。
十二宮のうち、二宮だけ趾が残っていませんが、それ以外は趾は残っています。

残された宮趾にお参りしながらの登山です。
山頂まで四カ所にベンチが設置されていて、 「レスキューポイント」に指定されています。

三宮趾は、最初のレスキューポイントになっていて、比較的ゆったりしています。

坊住跡

坊住跡。権現山八合目です。
権現山八合目にそって、「権現山周回道路」が整備されていて、登山客が散策していたり、アスリートがジョギングしたりしています。

九号目の鳥居

九号目の鳥居。見光山神昌寺があったはずの場所です。

十二宮上宮

十二宮上宮。大きな岩の上に鎮座されています。

奥宮

権現山の山頂付近に設けられていますが、宮司さんの話によると、昔は上宮までで、奥宮は無かったそうです。

権現山山頂の案内板によると、昔は山頂に祭祀遺構があったが、第二次世界大戦中に陸軍の高射砲陣地が構築されたとき削り取られて今は無いとのことです。

今の権現山山頂は、NTTの無線基地局、展望台と広場があります。

昔は無かった奥宮が出来て、今も信者が参拝していて、昔あったはずの祭祀が無い。
どのような経緯でそうなったのかを調べるのは、今後の課題です。

登山コースの看板

権現山、皿倉山や帆柱山などの帆柱連山は、現在では帆柱自然公園として、ケーブルカーも敷設され、ビジターセンター、展望台、野外音楽堂、キャンプ場、四季折々の野草や野鳥を観察するクラブや、私が所属するアーチェリークラブの射場なども整備されている自然公園になっています。

休日には、登山者、ハイキングや、ケーブルカーで子供やお年寄りの方も山頂付近に多く訪れます。

いくつもの登山道のうち、鷹見神社奥宮参拝道も一つの登山コースになっていて、上級者向きと分類されています。

 

鷹見神社は少し交通が不便な場所にあります。
何台か止められる駐車場はありますが、車で参拝して、権現山山頂の奥宮まで登ると、駐車場に戻る為に山を下らないといけません。

参拝道の他に下山道もありますが、登りだけでもかなり厳しいのに、往復となるとさらに労力を使うことになります。

片道だけなら、電車とバスを利用して、JR黒崎駅からバスに乗り「割子川」で下車→
徒歩で割子川沿いに上流(東)に向かって、約20分歩いて鷹見神社参拝→
共用の杖を借りて、一宮から奥宮まで参拝→
権現山から皿倉山まで、ほぼ水平移動→
ケーブルカーで下山→無料送迎バスでJR八幡駅に送ってもらう、
が比較的楽な参拝コースだと思います。

 

今回参拝した鷹見神社の石碑や権現山山頂の案内板に由来が書かれていますが、電話で別の鷹見神社(鷹見神社本宮?)の宮司さんに伺った由来とには若干の齟齬があります。

また再取材して話をまとめるつもりですが、とりあえず両方をメモ書きしておきます。

(石碑や案内板に書かれている由来の要約)

西暦705年、修験道の開祖と託されている役行者が、熊野三山の大神を勧請したことが創祀とされる。
役行者が熊野山で三所権現の招請を祈願したとき、神殿から飛び立った多くの鷹が、当該の権現山(標高618m)に飛来したので、鷹見山大権現と号した。

権現山の山頂に奥宮、山麓から十二宮があり、九号目に見光山神昌寺、八合目に社僧六坊の住居があった。

戦国時代に、2度兵火に罹り、社殿・宝物・記録等を消失した。
江戸時代の元禄期に再興され、今に至る。
現在の鷹見神社は、権現山山麓の一宮の場所に築かれている。

 

(宮司さんに電話で伺った由来)

3世紀、神功皇后の三韓征伐の際に、帆柱山(権現山のすぐ隣の山)の木を伐採し、船を作った。
その際、山の木を伐採したので、木の国熊野の神を招請したのが鷹見神社の創祀だそうです。

本来は、下宮→一宮、二宮、三宮…→上宮が参拝の道だったそうですが、今回私が参拝した鷹見神社は、一宮→上宮の部分だそうです。

下宮は直線距離で3kmほど離れた、海に近い、市街地と工場地帯の中にあるそうで、今では独立した別の「鷹見神社」として、北九州市八幡西区の他の鷹見・高見神社の本宮となっているそうです。

下宮であった鷹見神社と、今回参拝した一宮→上宮の鷹見神社との間は、現在では縦横無尽に国道や高速道路が走る工業地帯の市街地となっていて、かつての参拝道の面影は見られません。

(大門さん)

No.1497

2011.8.25 UP
2019.12.7 更新

参考文献



福岡県北九州市八幡西区市瀬

読み方:ふくおかけん きたきゅしゅうし やはたにしく いちのせ

郵便番号:〒806-0063

北九州市HP

北九州市 - Wikipedia
北九州市(きたきゅうしゅうし)は、福岡県にある市の一つ。関門海峡に面し、九州島最北端に位置する。
1963年に5市による新設合併により誕生し、三大都市圏以外で初の政令指定都市となった。非都道府県庁所在地としては西日本最大の都市である。