平安時代後期の勧請、神奈川郷の総鎮守
場所
JR東海道線東神奈川駅下車徒歩5分、京急線仲木戸駅下車徒歩5分。
横浜市神奈川区東神奈川一丁目の南西の端、ビルなどが建ち並ぶ街の一角に鎮座している。
祭神
国常立尊(くにのとこたちのみこと)
伊邪那岐命
伊邪那美命
御由緒
境内の案内板に記された御由緒より。
紀伊の熊野権現を祀る熊野神社で、創建以来千年近くの歴史を持ち、「権現様」として親しまれ、神奈川郷の総鎮守としての信仰を集めてきた。
寛治元年(1087)の創建という。醍醐寺三宝院の勝覚僧正が紀伊の熊野権現(熊野本宮)の神霊を分祀し、神奈川権現山(現在の幸ヶ谷公園付近)に社祠を創立したものとある。
後三年の役の帰途に源義家が立ち寄り、この地を「幸ヶ谷」と名付けたとか、権現山の社祠が山賊によって焼かれてしまったといった伝承がある。
明応三年(1494)に再建、さらに兵火によって焼失したものを天正五年(1577)再建、その後徳川家の庇護を受けた。
正徳二年(1712)金蔵院の境内へ遷座し、さらに明治の神仏分離によって寺から分かれている。
昭和十一年(1936)には鎮座八百五十年祭で大いに賑わった。戦災で社殿は焼失、戦後は駐留軍に境内地を接収され、現在の社殿は接収解除後の昭和三十八年(1963)の再建である。
境内社
金毘羅社
大鳥社
稲荷社
香取社
鹿島社
御神木
社殿向かって右手の奥には公孫樹(イチョウ)の御神木がある。樹齢四百年という古木で、慶応四年の神奈川大火、昭和二十年の戦災で焼失しながらも再生した。
狛犬
嘉永年間(1848~1854)鶴見村の石工飯島吉六の作という。大きく立派な狛犬である。
(TATSUさん)
No.316
2004.12.30 UP
2021.5.3 更新