熊野那智如意輪観音堂本尊のイメージを投影された本尊
ネット情報にて、不老山寿昌寺様(長崎県松浦市志佐町)の如意輪観音像に『熊野那智如意輪観音堂本尊のイメージが投影されている可能性が高い』と知り、松浦市を訪問させて頂きました。
寿昌寺山門
寿昌寺本堂
境内の案内板
長崎県松浦市指定夕景文化材(彫刻) 平成21年9月30日指定
寿昌寺の如意輪観音菩薩座像 じゅしょうじ にょいりんかんのんぼさつざぞう
臨済宗不老山寿昌寺本堂に安置されている本尊で、頭・体根幹部を前後二材から彫りだしている寄せ木造りの像高83.8㎝の仏像である。
体内背面に墨書があり、康永3年(1344年)に志佐有とその子の定を檀那として、仏師康心により造立されたことが確認されている。
本像が製作される直前の康永元年には、志佐氏は海洋神的性格を持つ熊野三所権現を再興していて、本像にも熊野那智如意輪堂本尊のイメージが投影されている可能性が高い。
また、現在、本像は毘沙門天像と不動明王像を脇侍としている。
この脇侍を従える観音は、慈覚大師円仁を海難から救った菩薩とされる。
現在の脇侍像は、室町時代の製作であり、この頃に海にまつわる新たな霊験が付与されたのであろう。
寿昌寺は松浦党(まつらとう)の雄と呼ばれた志佐氏の菩提寺である。
平成23年3月設置
松浦市教育委員会
※ 案内板の設置に感謝致します。
松浦党水軍の甲(国道204号 唐津街道沿い 調川道路公園)
唐津街道 松浦市今福町付近の様子
(瀬音さん)
番外編No.39
2016.7.5 UP
2021.3.21 更新