(佐渡市相川下戸村360-3?)
通称
十二さん(じゅうにさん)
御祭神
伊弉册尊、速玉男命、事解男命
例祭
9月10日
平成22年8月19日、私が佐渡に渡って一番はじめに辿り着いたのが、こちらの熊野神社でした。相川地区・海士町のバス停近くで、相川消防署の隣に位置しています。境内には「村社・熊野神社」の碑。佐渡の熊野神社の多くが海に面していますが、こちらの熊野神社からも海が見え、御祭神名から紀州熊野からの勧請である事が伺えます。
相川地区には神社庁のデータによると8社の熊野神社が鎮座しています。
熊野神社・村社の碑
熊野神社境内社 稲荷神社
佐渡の相川地区については上相川九郎左衛門町の宗門改帳「明暦二申年宗門帳」に当時28人の熊野比丘尼、2人の小比丘尼、7人の熊野山伏、計37人が来島した事例が記載され(明暦2年は西暦1656年)、紀州熊野から渡った清音比丘尼を始祖とした多くの熊野比丘尼が定着したことがうかがわれます。海からの夕日が照り映える中、熊野比丘尼の拠点は相川柄杓町(今は原野に帰したという)にあったのだと思うと感慨深いものがありました。
清音比丘尼伝来といわれる「那智参詣曼陀羅」は相川郷土博物館蔵、佐渡の山伏寺院・織田常学院伝来の「熊野勧心十界図(後藤家本)」「那智参詣曼陀羅(後藤家本)」は佐渡博物館蔵、2階展示室に展示されています。佐渡博物館には他に熊野比丘尼編笠、本地懸仏、念珠、熊野山掛軸等の熊野比丘尼に関する収蔵品があります。
(そま)
No.1306
2010.8.28 UP
2021.4.5 更新
参考文献
- 根井浄、山本殖生共著 『熊野比丘尼を絵解く』 法蔵館