出雲民族が紀伊に植民する際に祖神の分霊を勧請
御坊市熊野に鎮座する熊野神社です。
いやじんじゃと読みます。くまのではありません。
祭神は伊弉諾神 伊弉册神 大日靈女神です。
由緒は三重県の有馬に関わり、有馬は本宮に関わります。
有馬については、「渡来人が出雲から入りこみ、出雲の炭焼きを業とする集団で、縄文晩期に大挙して紀伊に移住した。」という伝承があり、また、「朝鮮半島から出雲東部に渡来した有馬氏がスサノオ信仰を持ち、これを紀伊に伝えた。」とも言われています。
出雲と伊弉冉尊と言えば、揖屋神社が思い出されます。
『古事記』に「今、出雲国の伊賦夜坂と謂う」とあり、死者の国との境である黄泉比良坂、を云うようです。
この伝承に付合するかどうか不明ですが、和歌山県御坊市熊野(いや)に鎮座する熊野(いや)神社の由緒書きに、「往古出雲民族が紀伊に植民する際にその祖神の分霊を出雲の熊野より紀伊の新熊野に勧請する途中、『当社に熊野神が一時留まりませる』ということが当神社の由緒になっている。」とあり、紀州熊野のルーツに関わる神社です。
熊野王子社の岩内王子を合祀しています。
雰囲気は、穏やかな風情の山中に鎮座、樹木が多く、
また土地の人々に大切にされている印象を受けました。
注連縄の太さは出雲の神社を想起させます。
(神奈備さん)
No.126
2002.3.7 UP
2020.5.19 更新