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飛鳥神社(あすかじんじゃ)

和歌山県太地町太地3267 太地村:紀伊続風土記(現代語訳)

太地の産土神

飛鳥神社

 和歌山県太地町太地の産土神、飛鳥神社。
 和歌山県新宮市の阿須賀神社からの勧請。

 漁に出た船が戻って来ないとき、家族親族は飛鳥神社に集まり、夜通し火を焚いて無事を祈り続けます。太地の人が「宮様」という神社。

 境内の由緒書きより。

飛鳥神社

1. 祭神 豫母津事解男命(よもつことさかのおのみこと)
1. 勧請 寛永元年十月
1. 建築年代 元禄三年十月
1. 建築様式 桃山時代の建築様式
1. 祭典 宵宮祭 十月十四日
     例大祭 十月十五日
     宵宮祭には勇壮なる樽神輿の渡御がある  
1. 境内社
  日知神社  祭神 瓊瓊杵命(ににぎのみこと)
  地主神社  祭神 大国主命
  秋葉神社  祭神 軻遇突智神(かぐつちのかみ)
  天神社   祭神 菅原道真
  稲荷神社  祭神 倉稲魂神(うかみたまのかみ)
  太地護国神社

 飛鳥神社の本殿は太地町の文化財に指定されています。境内にある解説板より。

太地町指定文化財

1. 名称 建造物 飛鳥神社本殿・1棟
1. 建面積 6坪(19.83平方米)
1. 指定年月日 昭和57年1月29日
1. 所在地 太地町大字太地3169番地
1. 所在者(保持者) 飛鳥神社宮司
1. 建造年月日 元禄3年10月
1. 説明 切妻造り、妻入りで前に向拝をつけた形式である。彩色された彫刻、絵画、模様が施された総漆塗、屋根裏朱塗の豪華なもので、桃山様式がとり入れられている。

太地町教育委員会

飛鳥神社

飛鳥神社

平維盛の太刀

 江戸時代の紀伊国の地誌『紀伊続風土記』の太地村の項には以下のように記されています(現代語訳てつ)。

飛鳥社
 本社  拝殿
 末社2社
村の中の浜辺にある。寛永元年新宮より勧請した。棟札がある。村の中の産土神である。神殿に平維盛の大刀というのを納める。刀身の長さ2尺、柄と合わせて3尺のものが2振りある。目釘の所から2つに折れている。無銘である。この刀を古くから村の中で伝えたことは『寛文雑記』にも見えている。

 維盛は那智の山成島の沖で従者とともに入水したことになっていますが、それは見せかけで、山成島から太地の水ノ浦に渡り、その途中に太刀を海中に落としたと伝えられます。後に太刀がエビ網にかかり、維盛のものではないかとのことで飛鳥神社に奉納され、神社の宝物として保管されました。

平家物語10 平維盛の入水:熊野の説話

(てつ)

2010.7.21 UP
2010.8.3 更新
2013.7.30 更新
2020.7.7 更新

参考文献

飛鳥神社へ

アクセス:JR太地駅から町営じゅんかんバスで10分、漁協前バス停下車すぐ
駐車場:太地漁協に駐車場あり

太地の観光スポット