古座川の川岸にある社殿のない神社
和歌山県古座川町月野瀬の古座川の右岸に祓の宮という社殿のない神社があります。
古座川は明治初期までは「祓川(はらいがわ)」と呼ばれていました。
祓いの宮は、弘法大師が開基したと伝わる霊山、重畳山(かさねやま)へ入る修験の道の入り口にあたるそうで、修験者はここでお祓いをして山に入ったのでしょう。
『紀伊続風土記』の月野瀬村の条には以下のように記されています(現代語訳てつ)。
○祓明神森
村領の川の北岸にある。1丈(※約3m※)廻りの櫟木(イチイ? クヌギ? イチイガシ?)を神体として祭る。古より社はない。村の旧家大屋源次郎という者が支配して、昔は日高郡南部から伊勢国白子までの間で初穂をとったという。そのことは今は絶えた。
江戸時代には祓の宮は祓明神森と呼ばれました。神森とは森そのものを祀る神社。祓の宮の社叢は現在、古座川町の天然記念物に指定されています。
『紀伊国名所図絵』には以下のように記されています(現代語訳てつ)。
祓の宮 月の瀬村の川の北岸にある。
祀神は瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)、一柱を祭る。聖護院の大峰入りには必ずこの宮にて祓(みそぎ)をするという。
この村に近世奇人伝に見えた僧恵潭(えたん)が住んでいた庵室がある。歌にいわく、しげれなほすゝきたか萱つたかづら訪ふ人いとふいほののきばに
暑き日は木々の葉がくれくるゝよりつきを瀬に見る川づらのいほ
(てつ)
2009.6.7 UP
2014.10.25 更新
2020.3.28 更新
参考文献
- 『紀伊続風土記 (第1-5輯) 』臨川書店
- 『紀伊国名所図絵』臨川書店
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アクセス:
駐車場:なし