第1回シイノトモシビタケ観察オフ会【光るキノコオフ】
私の知人に光るキノコの研究をされている方がいて、その方のお世話でシイノトモシビタケを見せていただきました。場所は和歌山県那智勝浦町宇久井(うぐい)の旧フェリーターミナル近くにある目覚山。
普段は立ち入り禁止の場所で、6月~7月と9月の毎週土曜日と日曜日(8月はなし)、19:30から宇久井海と森の自然塾運営協議会がシイノトモシビタケ観察会を実施しています。要予約で参加費は500円。小雨決行です。
この観察会では写真撮影は禁止です。写真を撮るのに時間がかかり、他のお客様に迷惑がかかるので。写真撮影会は年に1度開催していて、要予約で参加費2000円です。
観察会・撮影会の詳細は宇久井海と森の自然塾運営協議会のHPでご確認ください。
光るキノコの研究者の方とは以前から知り合いだったのですが、私はそれまでまだ1度も光るキノコを見たことがありませんでした。
それが今回、ツイッターなどで知り合った方々のなかにキノコ好きの方がいて、「知人に光るキノコの研究者がいるよ」と話したら、「光るキノコ見たいです」ということになって、そのことを研究者の方に話したら、「いいよ~。梅雨時にね」ということで、今回のシイノトモシビタケ観察オフ会「光るキノコオフ」開催の運びとなりました。
開催日は2010年6月21日(月)。今回は特別に平日に見せていただきました。参加者は私と妻と@honmachiさんと@rica_PHOTOさん。研究者の方と「宇久井海と森の自然塾」のスタッフの方のお二人にご案内していただきました。
7時過ぎに旧フェリー埠頭に集合。当日の夜は曇り空。前日まで連日の雨でしたが、当日は天候に恵まれました。
研究者の方と「宇久井海と森の自然塾」の方の説明を聞き、暗くなるのを待ち、7時半ころに山に入りました。懐中電灯で足下を照らし、石段を上っていきます。そしてじきに立ち止まり、懐中電灯を消すように指示されます。
懐中電灯を消して暗さに目が慣れてくると地面に小さな光が見えてきました。
シイノトモシビタケ、学名は、Mycena lux-coeli(ミケナ ルックス - コエリ:天国の光のキノコ)。
また灯りをつけて足下だけを照らし、道の左右に目をやりながら歩いていくと、そこにもある、あそこにもある。山のそこら中に小さな光。
「天国の光」がそこかしこに。
美しい夢のような光景。
こんなにたくさん見られるとは想像していなかったので、感動的でした。
数日間連続して雨が降った後に発生するということなので、今回はとても条件がよかったのです。キノコの寿命は1週間くらいだそうです。傘を開くまで2日、開いてから5日程度。
通常の土日の観察会では撮影禁止なのですが、今回は特別に写真撮影をさせていただきました。写真撮影したのは@honmachiさんと@rica_PHOTOさん。私のデジカメでは撮れませんでした。シャッター速度は15秒程度は少なくとも必要なようです。
参加者の撮影したシイノトモシビタケの写真
photo by @honmachiさん
photo by @honmachiさん
photo by @honmachiさん
photo by @rica_PHOTOさん
シイノトモシビタケ(Mycena lux-coeli)はキシメジ科クヌギタケ属に属する、傘径1~2cm、柄長2~3cmの小さなキノコ。
最初は八丈島で発見され、その後、大分、宮崎、神戸などで見つかり、熊野では和歌山県周参見町から三重県熊野市にかけて見つかっています。ヤコウタケ(Mycena chlorophos)に次いで強く発光し、スダジイ、ホルトノキ、ヤマザクラなど広葉樹の腐朽部や朽木に発生するとのことです。
キノコが生えていない場所でも暗闇のなか地面に目を近づけて地面をじっと見つめていると光が見えてきます。菌糸が発光しているそうです。この菌糸はシイノトモシビタケではなく、名前のついていない別なキノコのものだそうで、かつては熊野の森の至る所で光るキノコを見ることができたのでしょうね。
目覚山(標高47.6m)は現在は陸続きになっていますが、かつては島で目覚嶋と呼ばれていました。山上には水底神社(みそこじんじゃ)がまつられ、森は社叢として保護され、そのおかげで目覚山には今も豊かな自然が残されています。
1時間半ほど山の中にいましたが、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
ご案内してくださった研究者の方&「宇久井海と森の自然塾」のスタッフの方、すばらしい光景を見させていただき、 ありがとうございました。
また行きたいです。
今回ご一緒しませんでしたが、熊野在住の@masa5900さんが宇久井で撮影したシイノトモシビタケの写真がすばらしいのでリンクを張らせていただきました。↓ 大きなサイズで見るとド迫力です。
http://www.flickr.com/photos/masa5901/sets/72157624750297665/
光るキノコ、シイノトモシビタケ観察会のお申し込み・お問い合わせはこちらから(宇久井海と森の自然塾運営協議会)
(てつ)
2010.6.23 UP
2010.6.29 更新
2011.5.11 更新
2020.2.15 更新
参考文献
目覚山へ
アクセス:JR宇久井駅から車で約2分
(宇久井港を通り過ぎ、ルピナスを通り過ぎると、旧フェリーターミナルが見えてきます)
駐車場:旧フェリーターミナルに駐車場がありますが、普段は立ち入り禁止(伊勢エビなどの密漁対策のためのようです)
宇久井海と森の自然塾運営協議会によるシイノトモシビタケ観察会では、遠方からの参加者も歓迎しています。
観察会の観察場所の近く、歩いて行ける距離の宿泊施設としては休暇村 南紀勝浦(じゃらんnetのページへのリンク)があります。
近くの宿泊施設に泊まっていただくと地元的にはありがたいです。
勝浦温泉も近くにあるので勝浦の宿泊施設に宿泊していただくのもよいです。
観察会の時間が19:30頃から21:00頃までなので、食事をその前の十分余裕のある時間帯に出していただけるのかはお宿に確認しておいた方がよいと思います。