紀州最古の神社
紀州最古の神社と伝わる牛鼻神社。
三重県南牟婁郡紀宝町鮒田(ふなだ)、鮒田水門の近くに鎮座しています。
牛鼻神社は、熊野川の川向にある熊野速玉大社の基であったと伝わります。
熊野川支流の相野谷川に築かれた鮒田水門。熊野川本川の洪水が流入するのを防ぐ。
案内板より。
所在地
三重県南牟婁郡紀宝町鮒田字右市ヶ鼻(うしがはな)
祭神
国霊日女尊(くにたまのひめのみこと) 高倉下命(たかくらじのみこと) 誉田別命(ほむたわけのみこと) 詞遇突智命(かぐつちのみこと) 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
祭日
例祭 4月10日 夏祭 8月16日 秋祭 11月3日
由緒
当社の創建は、今を去る五千年と言い伝えられ紀州地方最古と言われる。
江戸時代役牛による耕作が始まった頃より、牛の守り神として、字名にちなんで牛鼻と呼ばれるようになった。
また、神武天皇東征の折に牛の鼻を繋いだとも伝えられる。
日本記に曰く、景行天皇重ねて南方の悪神を征し給う時、三輪崎荒坂山に軍立し給い、御陣を秋津野に召されて日久しく御粮尽きける時に、熊野村の千翁命稲千束奉りて奉救す依って御陣堅固になり悪神共無為に治まる也。天皇御感のあまり千翁命姓を給い穂積と号す。命に三子あり、榎本、鈴木、宇井、日本武尊熊野村に御鎮座の時、大成榎木の元に檀を築き鈴をもって奉迎するに、右の功を称して三子の屋号とするという。故に本社の祭神は熊野三苗はじめ熊野地方一帯の祖神を祀るところ也。紀宝町教育委員会
背後の照葉樹林の葉の照り返しがまぶしい。
神社正面を流れる相野谷川と横の熊野川、そして背後の山とが結びついてこの神社の信仰を生みだしたのでしょうか。
本殿や拝殿の周囲には白い浜石が敷き詰められています。
牛の置物。階段の左右に置いてあります。
境内に祀られている石祠と丸石。
牛の像。
牛鼻という字名は、貴祢谷社(きねがたにしゃ)から見て右を右市ヶ鼻(牛鼻)、左を左壱ヶ鼻(大浜)といったことに由来するそうです。
古くは熊野大権現牛鼻宮と称しましたが、時の為政者に名称の変更を命じられて、熊野牛鼻権現あるいは八幡大菩薩と称しました。
その後、明治初年(1868年)に、歴史的に曖昧などの理由から、三種の神器を擬した御神体や古文書類をことごとく焼却され、名称は牛鼻神社となりました。
(てつ)
2009.6.7 UP
2009.6.19 更新
2020.3.28 更新
参考文献
- 紀宝町誌編纂委員会『紀宝町誌』
牛鼻神社へ
アクセス:JR新宮駅から車で約5分
駐車場:駐車スペースあり