トルコ軍艦エルトゥールル号遭難事件についての絵本
1890年(明治23年)9月16日の夜、紀伊大島の樫野埼の東方海上で起きた、トルコ軍艦エルトゥールル号の遭難事件。
580名以上の犠牲者を出し、生存者は69名。
69名の生存者は紀伊大島の住民たちの献身的な救護により命を救われ、このことがトルコの人々が日本に親しみを抱くきっかけとなりました。
それからおよそ100年後の1985年にイラン・イラク戦争でイランに取り残されていた日本人を、トルコ航空が救援機を出して救出してくれたのは、このエルトゥールル号のときの恩を返すためだったといいます。
本書では、エルトゥールル号の遭難事件の顛末をエルトゥールル号自身がモノローグの形で語ります。船の魂が主人公。
紀伊大島の住民たちのやさしさと、それに対するトルコの人々の感謝には、胸を打たれます。
文章は、泉鏡花文学賞受賞作家の寮美千子さん。
当時の資料に丁寧に当たっていて、状況がよくわかります。
リンク
寮美千子さんは熊野工作員の一員で、『夢見る水の王国』というとても美しいファンタジー小説でも熊野を登場させています。
紀伊大島にあるトルコ記念館。
トルコ記念館2階展望台から座礁地点を望む。
トルコ記念館の近くに建つトルコ軍艦遭難慰霊碑。
(てつ)
2013.7.1 UP