『東海道中膝栗毛』の中の巡礼のおやじの話
十返舎一九作の滑稽本『東海道中膝栗毛』二編下、蒲原(かんばら。静岡県庵原郡蒲原町)の宿で弥次さん喜多さんが出会った巡礼のおやじが話す科白の中に、
(上略)これの婿どのは、熊野浦へ落っこちて、鯨にすっかり呑まれたとの話。(下略)
とあります。
捕鯨発祥の地とされ、捕鯨が盛んであった熊野。
鯨といえば熊野という認識があったのでしょうね。
この巡礼のおやじの話がまたおもしろいのですが、熊野にはまったく関係がないので割愛。
『東海道中膝栗毛』は、江戸の町人で男色関係にある弥次郎兵衛と喜多八が東海道を大阪まで行く道中を描いたユーモア小説。ちなみに「膝栗毛」とは膝を栗毛の馬に代えて歩くということで、徒歩で旅をするということ。
(てつ)
2005.7.3 UP
2022.7.18 更新
参考文献
- 日本古典文学大系『東海道中膝栗毛』岩波書店
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