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マグロの墓

マグロに感謝して供養塔を建立

 熊野にはマグロの墓がいくつかあります。

 三重県尾鷲市須賀利町にある普済寺(ふさいじ)には、天保12年(1841年)に建立されたマグロの供養塔があります。
 天保4年(1833年)から天保12年(1839年)にかけて起こった天保の飢饉。
 天保10年(1839年)、須賀利浦ではマグロの大軍が湾内に入ってきて、マグロ3,795尾を漁獲するという大漁に恵まれました。その翌年にも30,900尾の大漁。翌年の天保12年にはマグロの大漁に感謝し、その冥福を祈るために漁民たちが供養塔を建立しました。供養塔を建立した翌年にも18,000尾のマグロの大漁がありました。

 三重県熊野市甫母町の海禅寺には、慶応4年(1868年、明治元年)に建立されたマグロの供養塔があります。
 安政元年11月4日(1854年12月23日)の安政東海地震の大津波により甫母浦は甚大な被害を受けましたが、安政3年(1856年)に湾内にマグロの大群が入ってきて、大漁に恵まれました。このマグロの大漁で浦が蘇生しました。このマグロの大漁に感謝して、1868年(慶応4年・明治元年)に漁民たちが供養塔を建立しました。

 熊野の漁民の命を支えたマグロ。今もマグロは熊野の宝物です。

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(てつ)

2012.2.15 UP
2020.8.7 更新

参考文献