熊野修験と陰陽道とが混淆して成立した民間信仰、いざなぎ流
高知県香美市物部町(旧香美郡物部村)に伝わる「いざなぎ流」。
「いざなぎ流」は、熊野修験と陰陽道とが混淆して成立した民間信仰。
この地域一体は中世の初頭から熊野の荘園であったため、熊野信仰が深く浸透しました。
いざなぎ流の祭儀では、祭りの最初に湯立てが行われるそうですが、その湯釜には熊野の神が勧請され、沸いた湯は熊野の新宮・本宮の聖なる湯とみなされて、斎場や氏子を清めるのに用いられるそうです。
いざなぎ流御祈祷
熊野の新宮本宮の湯釜の上に祈り入り影合なされて、当年よしと又来るよとしへとりて
このや御湯の伏せ鎮めの前立て後立てには熊野の権現様を行ない請じ参らする
(てつ)
番外編No.9
2004.3.13 UP
2010.1.24 更新
2021.8.29 更新
参考文献
- 『お神楽―日本列島の闇夜を揺るがす 』別冊太陽No.115 Autumn 2001
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