境内横にある老人憩いの家
末社
石祠の末社
神社の祭礼「神幸例大祭」―
壱岐郡の旧・鯨伏(いさふし)村(現・勝本町)の村社・熊野神社は、秋の暮れに例大祭があり、東京三元社「旅と伝説」の本山桂川氏の記述によると古くは「コスドーマック」または「コスドーグンチ」と称されていた。現在は「神幸例大祭」と呼ばれ、温泉港祭と共に10月29日に行われる。立石の熊野神社から、波打ち際の湯崎の浜殿までオクダリ(祭りの行列)があると、そこで秋の新米で造られた餅まきが行われる。
浜殿で海の幸が供えられると、神事の後神社近くの中宮で、流鏑馬の名残りとして神職が12本の矢を射て災いを祓う儀式が行われ、その後、壱岐大神楽が3時間にわたり奉納される。この神楽の中に「八咫烏」という神楽があるが、熊野との関わりからではなく、道路のお祓いとして壱岐地方全般で奉納されるものだという。
階段下の鳥居
玄松子さんのHP「玄松子の記憶」に、さらに詳しい記述が掲載されています。
(写真・玄松子さん、文・雅子)
No.58
2001.5.1 UP
2021.3.21 更新
参考文献
- 東京三元社「旅と伝説」(岩崎美術社復刻)昭和9年4月号掲載「壱岐の神社と祭事」(本山桂川著)
- 戎光祥出版社刊「熊野三山信仰辞典」(加藤隆久編)