境内に極めて希少な上円下方墳、上円下方墳としては日本最大
武蔵府中熊野神社に御由緒の案内が設置されていましたので、国史跡武蔵府中熊野神社古墳の資料と共に投稿させて頂きます。
場所
正面鳥居と古墳展示館
神社の目の前は、幹線道路の国道20号線・甲州街道です。
JR東日本 南武線の西府駅から徒歩6～7分。
御由緒
御由緒の石碑より。
熊野神社
御祭神
素戔嗚命（すさのおのみこと）
社殿
本殿（柿葺入母屋造） 拝殿（入母屋造）
「市有形文化財指定」例大祭
九月十五日
由緒
当神社は、往古「熊野大権現」と称され旧本宿村の総鎮守であった。
その創建は、江戸初期と伝えられ、当時境内に別当寺である「弥勒寺」が勧請されており、当地にも熊野信仰伝搬の様が見られ、神仏習合の信仰形態が調っていた。
本殿は往時の儘現存し、拝殿は天保九年（一八三八）九月改築との棟札があり、拝殿内には江戸時代後期の漢詩人「江山翁大窪行」揮毫の「熊野大権現」と記した額が殿内にある。
古墳裏正面には「天明八戌申歳九月吉祥日 当村氏子中願主 松本氏」と刻まれた鳥居があり、西北から境内を守護している。恒例祭
歳旦祭 一月一日
祈年祭 三月一五日 現行 中旬 日曜
風日祈祭 八月一五日 現行 中旬 日曜
例大祭 九月一五日 現行 中旬 日曜
新嘗祭 十一月二十三日
除夜祭 十二月三十一日
拝殿
拝殿 扁額
府中市指定文化財
有形文化財（建造物）熊野神社本殿・拝殿
指定 平成二十年五月三十日
熊野神社本殿の建築年代は、虹梁絵様や彫刻などの構成が簡素であることなどから十八世紀前半と考えられます。本格的に施工された屋根の柿葺（こけらぶき）も造営当時の状態を良くとどめており、江戸時代中期の府中周辺地域における社殿の形態が良好な状態で保存されています。
また、拝殿の建築年代は、室内の長押（なげし）上の壁に掛けられた木板、虹梁上の中備（なかぞなえ）下の墨書及び虹梁絵様から十九世紀前半と推定されます。特に向拝（こうはい）部分は、十九世紀の華やかな装飾を今にとどめています。
本殿及び拝殿ともに、江戸時代中期から幕末における神社建築の造形をよく現している、市内でも数少ない貴重な建築物です。
平成二十一年八月 府中市教育委員会
神社の裏の鳥居
境内社 八衢（やちまた）比古神 八衢比女神
http://ja.wikipedia.org/wiki/岐の神
敷石百枚寄進の碑
国の史跡 武蔵府中熊野神社古墳
復元された武蔵府中熊野神社古墳
国内最大・最古の上円下方墳（府中市ホームページより）。
府中市郷土の森博物館の案内によりますと、出土品が少ないため手がかりが少ないが、古墳時代終末の650年前後と推測されるそうです。
古墳復元工事前の様子（2003年7月13日）
古墳復元工事前の航空写真
出土品 銀象嵌の七曜文が描かれた刀の鞘尻金具（古墳展示館にて）
副葬品などはほとんどが持ち去られ、他にはガラス製の玉が見つかっているそうです。
復元された古墳石室（中に入って見学が可能です）
古墳展示館の係の方に、 「私は熊野地方の出身で熊野神社に興味があり、お参りに伺いました。」とお伝えすると、「熊野神社はこの辺りでも4～5社はあると思います。氏神様ですよ。」とお話頂きました。
熊野神社の勧請については様々の御由緒があると思いますが、「氏神様ですよ。」との言葉に安心しました。
（瀬音さん）
No.226-2
2013.6.6 UP
2020.7.19 更新