もと熊野神社
場所
JR大井町駅下車徒歩10分ほど。
駅よりジェームス坂を下り商店街を抜けたあたり、左側にひっそりと鎮座。
この神社は1989年版の昭文社の地図に所在が記載されていた。
また、戦後すぐの地図にも熊野神社と記載されている。
ところが、現地を訪問してみると、東関森稲荷神社が該当地に鎮座していた。
御祭神
宇迦之売命
伊邪那岐命
伊邪那美命
(熊野神社の祭神)
御由緒
資料によると、「由緒は不詳であるが、言い伝えによると、はじめ熊野神社、すなわち、伊邪那岐命、伊邪那美命を祀り、のちに宇迦之売命を勧請し稲荷森稲荷と称えられ、のちに現在の神社名となる」とされている。
(「東京都神社名鑑」参照)
しかし、「新編武蔵風土記稿」には
稲荷社
見捨地二段十五歩、字広町耕地にあり、稲荷森稲荷と号す、門口三間奥行九尺、後略
と記述されており、また、
熊野社
西南の田間にあり、境内(常行寺)の鎮守なりことに古社なりと云、以下略
とも記述されている。
上記の記述によると、稲荷社と熊野社は同時期に並存していたことになる。
どんな経過をへて現在の東関森稲荷神社に至ったのか詳細は不明だが、「東京都神社名鑑」の資料が正しければ、熊野社に稲荷森稲荷神社が合祀されて現在に至ったようだ。
(TATSUさん)
No.1206
2010.2.15 UP
2022.10.2 更新
参考文献
- 東京都神社庁編 『東京都神社名鑑』
- 『新編武蔵風土記稿』