15歳までの氏子の男子が熊野本宮大社に薪を献納する神事
毎年12月10日午前7時、熊野本宮大社で県指定無形民俗文化財である「御竃木(みかまぎ)神事」が斎行されます。
神事の由来は延宝7(1679)年「本宮年中行事社法格式」に記載があるほど歴史が深く、清和天皇の時代に始まったと伝えられています。この神事では熊野本宮大社で開寅(あけとら)祭や一年間の神饌を炊くのに用いる燃料として、氏子の男子が生まれた年から15歳まで、榊を差した御竃木(薪)を奉献します。
御竃木の作り方は各家庭によって違いますが、樫(かし)・椎(しい)・櫨(はぜ)などの皮を剥いで30cm程に切り、それを細かく割って2束にし、細い皮をはいだ棒に縛って一くくりにして榊を挿し、細い棒の部分を肩にかついで奉納します。
初奉納の時は御竃木を2荷作って奉納しますが2年目からは14歳までは1荷ずつであり、15歳になると「持ち納め」といって樫の太い木を奉書で包み、水引をかけて納めます。
この御竃木は旧社地・大斎原の石祠前と熊野本宮大社本殿(証誠殿)前に設置される奉奠台に奉納されて御竃木神事の為の祝詞があげられ、社務所で収納の証明をもらって帰る習わしになっています。
15歳の時に奉納する、奉書で包んだ御竃木
(そま)
2003.12.10記
2008.6.1 UP
2023.8.17 更新
参考文献
- 『本宮町史 文化財編 古代中世資料編』