熊野の神宿る木の葉
梛(なぎ)の木は熊野のご神木です。
中世の熊野詣では、参詣者は熊野三山それぞれにて、熊野牛王法印と梛の葉を手渡されました。
梛の葉は熊野の神様のひとつ金剛童子の変化身と考えられ、参詣者は帰途の安全を願い、梛の葉を護符として袖や笠などに付けました。
ちはやぶる熊野の宮のなぎのはをかはらぬ千世のためしにぞおる
(『拾遺愚草』藤原定家詠歌1首)
また熊野比丘尼は、熊野牛王法印や梛の葉を配って人々に熊野信仰を広めました。
梛(ナギ)の押し葉、熊野紙包み(2枚セット):み熊野ねっとヤフー店
熊野の金剛童子の変化身とされて身につけるとお守りになるとされた梛の葉を、本宮町で生産される和紙「音無紙(熊野紙)」で包んでいます。
(てつ)
2008.2.24 UP
2009.10.15 更新
参考文献
- 根井浄 山本殖生 編著『熊野比丘尼を絵解く』法蔵館