王子ヶ浜近くにある王子
和歌山県新宮市熊野地にある王子神社。
この王子神社が、かつての浜王子。
阿須賀神社から高野坂(こやのざか)へ向かう途中、王子ヶ浜に面した古道沿いにあります。
案内板には下記のように書いてありました。
和歌山県指定文化財
史跡 浜王子跡
指定年月日 昭和三十四年一月八日王子ヶ浜に近い当神社が浜王子跡で、祭神は稲飯命と三毛入野命である。
神武東征のみぎり、海神の怒りをしずめるため、この二人の命が海中に身を投じた神話によるといわれる。古来から海の神を祀る海浜の宮であったと思われるが、熊野信仰の発展とともに、熊野神の御子神を祀る王子社として知られるようになった。
古代の王子社としての記録はないが、文明五年(1473)の『九十九王子記』には「浜王子」と記されているのが初見。元亨二年(1322)、武蔵国豊島郷の領主豊島近太夫景村が、当社の分霊を自領の飛鳥山に移し祀ったともいう。
海辺の熊野参詣道の成立や古道としてのルート、性格を考えるうえで貴重である。
平成三年一月五日和歌山県教育委員会
新宮市教育委員会
明治12年(1879年)に阿須賀神社に合祀されましたが、大正15年(1926年)に復社しました。
王子神社は、戦前までは松林に囲まれた広い社地を有していましたが、今日では住宅地に囲まれたこじんまりとした神社になっています。
次の王子は、佐野王子。浜王子から佐野王子までの熊野古道歩きレポートはこちら。
東京都北区にある王子神社は、この浜王子から勧請されたようです。
(てつ)
2008.11.29 UP
2020.2.28 更新
参考文献
- 加藤隆久 編『熊野三山信仰事典』戎光祥出版
- 西口勇『くまの九十九王子をゆく 第二部 中辺路・大辺路・小辺路編―田辺・高野から那智・新宮へ―』 燃焼社
浜王子へ
アクセス:JR新宮駅からバス(右回り循環なら新宮駅から8分、左回り循環なら新宮駅から17分)、大浜海岸バス停下車、住宅地の方へ徒歩1~2分
駐車場:駐車場なし