はえ縄漁法による生マグロの水揚げ高日本一
勝浦漁協魚市場は延縄(はえなわ)漁法による生マグロの水揚げ高日本一の魚市場です。
漁協の魚市場では、市場が休みとなる土曜日などを除く毎日、早朝、はえ縄漁法によって近海で釣り上げられた生のマグロが並びます。
セリが行われるのは朝7時から。
魚市場の場内は関係者以外立ち入り禁止ですが、魚市場2階見学フロアからの見学や、漁協職員が案内する「勝浦魚市場体験(旅館組合宿泊者限定)」も行われています。
大量には獲れないけれどもマグロ1本1本を大切に扱う延縄漁法
勝浦漁協の魚市場は延縄漁法による生マグロの水揚げ高日本一。
延縄漁法とはマグロを1本1本釣り上げる漁法で、生きたまま船上へ釣り上げられたマグロは、漁師の手により船上で1本1本素早く活締めされ、血抜きされます。
そのまま自然死させられたものとは違って、活締めされたマグロは、味、鮮度ともに、とても良質です。
今、マグロの漁獲は、幼魚・稚魚をも関係なくごっそりと一網打尽に獲る巻網漁法が主流となっています。水産庁資料
その方が効率よく安く大量に漁獲できるからでしょう。しかし、このような無差別な獲り方を続けていけば、いずれマグロが激減し、食べられなくなってしまうときが来てしまいます。
マグロは熊野にとって大切な宝物です。江戸時代には飢饉のときにマグロにより救われた村もあります。マグロが食べられなくなるということは熊野にとって非常に辛いことです。
狩猟民には、動物を狩るときに心になんらやましさを覚えることのない武器をもって戦わなければならないという倫理がありました。
マグロの巻網漁法のことを考えると 、今の人間は圧倒的に強力な武器でマグロに対峙しています。
狩猟民の倫理。動物に敬意を払う。必要以上に殺さない。殺した動物の体にも敬意を払う。熊野信仰のもともとの担い手は狩猟民です。熊野の説話:熊野権現垂迹縁起
大量には獲れないけれども1本1本を大切に扱う勝浦のマグロ延縄漁法は熊野の誇りです。
味も延縄と巻網とでは違います! まき網とはえ縄では、刺身としてマグロの肉質がどう違うのか(責任あるまぐろ漁業推進機構)
生マグロの味わいをお手軽にご家庭で!
勝浦港の生マグロを独自の技術で冷凍した「海桜鮪」
解凍がとても簡単、流水に付けるだけ!
(てつ)
2012.4.26 UP
2020.10.30 更新
参考文献
勝浦漁協地方卸売市場へ
アクセス:JR紀伊勝浦駅徒歩5分
駐車場:駐車場あり