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小栗判官車塚(おぐりはんがんくるまづか)

 和歌山県田辺市本宮町本宮 本宮村:紀伊続風土記(現代語訳)

小栗判官伝承に由来する卒塔婆

小栗判官車塚

 湯の峰温泉から熊野本宮大社に向かう道路端にある小栗判官車塚(写真中央)。小栗判官にまつわる史跡です。

小栗判官車塚

 小栗判官が乗せられて湯の峰温泉まで運ばれてきた土車(土を乗せて運ぶ木製の台車)を埋めた場所に建てられたと伝わります。もともと大日山にあったものを道路開設時(大正12年)に現在地に移したといわれています。

 高さ65cmの卒塔婆に刻まれた碑文は風化が進みほとんど読めません。『紀伊国金石文集成』によると、銘文は以下の通り。

□見卒塔婆永離三悪道
何況造立者決定成菩提
 永和二年 丙辰 四月二十六日
□□□為乃至法界衆□

 『紀伊続風土記』には以下のように記されています。

車塚

当村から本宮への往還にある。俗説に小栗判官がこの湯に浴し、あしなえを平癒し車をここに捨てて帰ったという。

また熊野往還の古道で、今の街道と少し宛て替わっている所を小栗街道といい習わしている。院本に小栗判官兼氏という者が毒酒に当てられ熊野湯峯の温泉に浴して平癒したことを作って車街道ということがあるので、ついに車塚・小栗街道などの名が起こったのだろう。

湯峯村:紀伊続風土記 現代語訳

 『紀伊国名所図会』には「湯の峰入口にあり」とあり、東燕志(あずま えんし:江戸時代中期の俳人)の俳諧を載せています。

廻る日の草はあたらし車づか  燕志

小栗判官車塚

 小栗判官車塚の前には「小栗判官 照天姫 車塚旧跡地 是ヨリ ゆの弥へ八丁 湯峰あづまや建之」という石碑も建てられてい ます。

 小栗判官史跡:熊野の観光名所

 湯の峰温泉:熊野の観光名所

小栗判官:熊野の説話

(てつ)

2009.9.9 UP
2020.11.22 更新
2022.2.20 更新

参考文献

小栗判官車塚へ

アクセス
・JR新宮駅から熊野交通バス奈良交通バス明光バス熊野古道スーパーエクスプレスで本宮方面行きバスで約1時間10分、湯の峰温泉バス停下車。徒歩25分。
・JR紀伊田辺駅から本宮・発心門王子方面行き龍神バスで約1時間40分、湯の峰温泉バス停下車。徒歩25分。

駐車場:駐車場なし

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