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『熊野年鑑』現代語訳 光仁

光仁天皇

現代語訳

宝亀 甲寅(きのえとら)

11月15日に熊野の蓬友にて神踊があった。

6年 丙辰(ひのえたつ)

正月に熊野で妙見の神が現れ去った。

7年

去年8月に美濃尾張伊勢熊野で大風雨が起こって石を飛ばした。本宮の橋が流失した。都中の屋根の上に毎夜石を落とした。

8年 丁巳(ひのとみ)

熊野川が渇いた。土佐の源大夫の娘が蘇生し、また嫁に行ったという。

9年 戊午(つちのえうま)

猫鼠同穴。熊野で川原の家が初めて建ったが、同月流れて人が死んだ。よってこれより中絶した。

※川原家(かわらや)は熊野川河口の川原に建てられた木造の簡易建築。水害が予想されたときには解体して安全な場所に運んだ。

原文

宝亀 甲寅

十一月十五日熊野蓬友ニテ神踊有

六 丙辰

正月熊野妙見ノ神現去

去年八月美濃尾張伊勢熊野大風雨起テ石ヲ飛ス本宮ノ橋流失都中ノ屋上毎夜石を落ス

八 丁巳

熊野川渇土佐ノ源大夫娘蘇生復嫁スト云

九 戊午

猫鼠同穴 熊野川原ノ家始建
同月流テ人死因テ是ヨリ中絶

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(てつ)

2021.10.28 UP

参考文献