猟師が追いかけていた3頭の熊が3つの鏡に
『大峯縁起』より。『大峯縁起』は平安時代末から鎌倉時代に成立したと見られる熊野修験の根本経典。
孝昭天皇23年(紀元前453)、3頭の熊が伊勢の内宮・外宮から新宮の方に走って来た。猟師の是与がそれを追いかけて、射ようとすると、西北の岩の上で3つの鏡を変わった。
是与はそこに来た裸行(らぎょう)という聖といっしょに3つの鏡を祀った。これが新宮の熊野三所権現である。
是与はのちに熊野本宮礼殿主となり、その女系の巫女が『大峯縁起』を相伝した。また裸行はのちに那智の滝で千手観音を感得して祀った。
西北の岩の上とは、新宮の北西ということで、神倉のゴトビキ岩?
(てつ)
2010.2.5 UP
2022.7.19 更新
参考文献
- 宮家準『熊野修験』 (日本歴史叢書48) 吉川弘文堂
- 国文学研究資料館編『真福寺善本叢刊〈10〉熊野金峯大峯縁起集』 臨川書店
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