み熊野ねっと 熊野の深みへ

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熊野森周辺の熊野信仰跡:神奈川県川崎市高津区末長

TATSUさんからご投稿いただきました。ありがとうございます。

熊野社の跡地、熊野の山桜は永遠に光に満ちている

江戸見桜

インターネットで熊野をキーワードに検索していたら、あるサイトにめぐり合った。

久本山・熊野森ナショナルトラスト

面白そうなので現地を訪問してみた。

以下は、このサイトに全面的にお世話になりました。ありがとうございました。

久本山・熊野森は、東急田園都市線の溝口駅より南に徒歩20分程の場所に位置する。
大山詣での途中でもあり、山陰には石仏等も残っている。

熊野森といっても、周りはマンションに囲まれ、かろうじて一部の緑地を残すばかりとなっている。
末長からそこにいたる道の一つは途中で崖崩れがあり通行不能になっている。
そこで、久本からマンションの間の道をたどり訪れた。

末長熊野森緑地の由来

山の頂上にはマンションの駐車場が造られその一隅には、「江戸見桜」がぽつんと柵に囲まれ残っている。
昔、大山詣の人々が目印にして、「江戸が見える」「江戸からも見える」として、この名がつけられたと言われている。
今の桜は、この子孫であろう。

江戸見桜

ここはかって熊野社のあった所。桜は御神木であったといわれる。

この地に、昔から熊野社である、阿弥陀堂、薬師堂、十王堂などがあったそうだ。
鎌倉時代に始まり、江戸時代にさびれてしまったと考えられている。

いまは、何も残っていないが、近くの杉山神社の境内、拝殿の右に、境内社(御祭神不明)にはさまれて、石碑が残っている。

杉山神社についてはこちら

(TATSUさん)

番外編 No.14

(てつによる追記)

末永く影満つ熊野や山桜

梅原時保という人が詠んだ熊野社の寿詞(ことほぎ)。
意味は「熊野の山桜は永遠に光に満ちている」。
桜は浄土を現わす象徴でした。

江戸見桜の会事務局発行の機関紙『江戸見桜通信第2号』に興味深い記事があったのでご紹介します。

 ここで大事なことは、神奈川県下で大山を別にすると末長熊野森が唯一、熊野信仰の全てが現されている『熊野那智曼陀羅』の構図通り再現されていたと思われることである。…
 熊野本宮(阿弥陀仏)は熊野森の阿弥陀堂にあたる。新宮(薬師如来)、那智(千手観音)は熊野森にヤクシ、カンノンジという地名がある。
 曼陀羅には、阿弥陀、薬師、 観音各浄土を現す桜が描かれており、熊野森には江戸見をはじめ桜が点在している。
 渡海上人が補陀落浄土へ船出する地に松の木があり、熊野森への参道である堂坂下辺りにマツギ(松の本谷)の地名がある。
 熊野川にあたるのは、四っ池(池の谷)から落ちる用水路であろう。 …

(江戸見桜の会事務局発行『江戸見桜通信第2号』)
川崎・多摩丘陵の里山を守る会の公式ページでPDFをダウンロードできます。

もしこちらの熊野神社が残されていたら神社の森の中でミニ熊野詣ができたのに。合祀され廃されてしまったことを残念に思います。

2008.10.18 UP
2020.8.13 更新
2021.4.11 更新

参考文献



神奈川県川崎市高津区末長

読み方:かながわけん かわさきし たかつく すえなが

郵便番号:〒213-0013

川崎市HP

川崎市 - Wikipedia
川崎市(かわさきし)は、神奈川県の北東端に位置する政令指定都市である。東京特別区(東京23区)全体及び政令指定都市17市の中で面積は最も小さい(最も大きいのは浜松市)が、人口は全国第9位である。