仁明天皇
現代語訳
天長10年 癸丑(みずのとうし)
熊野の飛鳥社において犬を制した。熊野で10月に桃李の花が咲いた。
承和4年
熊野の北山で体長1丈の猿が見つかった。
6年 己未(つちのとひつじ)
6月に熊野の那智より火光が出て海の中に入った。その音は高かった。
8年 辛酉(かのととり)
新宮社壇の禰宜が霊夢を得た。
11年 甲子(きのえね)
新宮の河口が砂山となった。
13年 丙寅(ひのえとら)
新宮の河口に大鮫が入り、川の主となった。
嘉祥元年 戊辰(つちのえたつ)
熊野別当2代目に慶雲がなった。
原文
十 癸丑
熊野飛鳥社ニ於テ犬ヲ制ス熊野十月桃李花
承和四
熊野北山有猿長一丈
六 己未
六月熊野那智ヨリ火光出入海中其音高シ
八 辛酉
新宮社壇ノ禰宜得霊夢
十一 甲子
新宮川口砂山ト成
十三 丙寅
新宮川口大鮫入為川主
嘉祥 戊辰
熊野別当二代目慶雲
(てつ)
2021.11.5 UP
参考文献
- 熊野速玉大社宮司 上野元監修・発行『速玉本 熊野年鑑』熊野速玉大社