文徳天皇
現代語訳
嘉祥2年 己巳(つちのとみ)
新宮で遷宮。不交他座一殿。宗重が神秘をなした。
仁寿 壬申(みずのえさる)
諸国で甘露の雨が降った。
3年 癸酉(みずのととり)
熊野の大島に民家を起こした。同国の竹がことごとく枯れた。
斉衡 乙亥(きのとい)
5月に熊野浦に大浪が入った。4日を径之月諸国で大地震があった。
丙寅(ひのえとら)
去年、東に彗星があった。5月5日に大仏の頭が理由もなく地に落ちた。8月に武器庫の中で鼓が自ら鳴った。
原文
二 己巳
新宮迁宮不交他座一殿宗重為神秘
仁寿 壬申(みずのえさる)
諸国甘露雨
三 癸酉
熊野大島ニ民家ヲ起ス同国ノ竹悉枯
斉衡 乙亥
五月熊野浦ニ大浪入ル四日ヲ径之月諸国大地震
丙寅(ひのえとら)
去年東有長星五月五日大仏額無謂ニ地ニ落八月兵庫中鼓自鳴
(てつ)
2021.11.8 UP
参考文献
- 熊野速玉大社宮司 上野元監修・発行『速玉本 熊野年鑑』熊野速玉大社