浅見光彦シリーズ、熊野古道殺人事件
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浅見光彦シリ-ズ。
推理作家の内田康夫が、浅見光彦と共に補蛇落渡海(ふだらくとかい)の再現を取材しに行きます。
補陀落(ふだらく)はサンスクリット語の「ポタラカ」の音訳で、南方の彼方にある観音菩薩の住まう浄土のことをいいます。日本においては南の海の果てに補陀落浄土はあるとされ、その南海の彼方の補陀落を目指して船出することを「補陀落渡海」といいました。
日本国内の補陀落の霊場としては、高知の足摺岬、栃木の日光、山形の月山などがありましたが、記録に残された40件ほどの補陀落渡海のうち半数以上が熊野の那智の浦で行われています。熊野は補陀落渡海の根本道場といってもよい場所でした。
熊野古道殺人事件ですが、熊野三山はほとんど登場しません。女性の死体が発見されたのが滝尻王子近くの乳岩。もうひとつの事件が起こるのが、補陀落渡海の再現が行なわれた那智の浦。
内田康夫と浅見光彦のやりとりが楽しいです。
最後の浅見光彦シリーズ
内田康夫氏が病気のため執筆を断念し、未完のまま刊行されたのが最後の浅見光彦シリーズ『孤道(こどう)』。熊野古道を舞台とする歴史ロマンミステリーです。熊野との特別なご縁を勝手ながら感じます。
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『孤道』完結プロジェクト最優秀賞受賞作、和久井清水著『孤道 完結編 金色の眠り』。
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(てつ)
2008.1.16
2021.3.7 更新
内田康夫さんの著作
熊野太地が舞台の浅見光彦シリーズ、『鯨の哭く海』。
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内田康夫没後三年特別出版。『南紀殺人事件』。
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