2011年9月4日
ものすごい雨でした。
降り始めからの雨量が、私の住む和歌山県田辺市本宮町では1100mmを越えたという。
私の家は幸い何の被害もありませんでした。電気と水が止まったくらい。
台風が通り過ぎ、午後になってから本宮方面に出ようと車で国道168号に出ます。
しかし、国道168号の大居地内に陥没した箇所があって、国道からは本宮には向かえず、市道で本宮方面へ向かうことに。
音無川沿いに下る道ですが、音無川がものすごい濁流になっています。
倒された木がたくさん流れ着いています。
本宮町行政局や熊野本宮大社周辺は泥だらけで大変なことになっていました。
車で入ったら危ないと思い、引き返し、自分の集落の奥を見に行くことに。
倒木で道を塞がれています。
向いの山が崩れています。
道側の山も大変なことに。
何をするにしても明日からと決めて、この日は家でおとなしくしていることにしました。
9月5日
ヘリの音で目が覚める。
朝のうち心配だった知人宅へスクーターで向かいました。
そこは被害もほとんどなく無事だったので、それから熊野本宮大社の片付けのお手伝いに。
写真はその日の朝と、お手伝いを終えた夕方に撮りました。
朝の熊野本宮大社の鳥居前。泥だらけ。
世界遺産熊野本宮館も泥だらけ。
熊野本宮大社前の国道。
写真に写っている範囲の建物の多くは1階は浸水。2階まで浸水した建物も。
画像中央は大斎原。ここまでが朝に撮った写真。
熊野本宮大社でお手伝いしたおかげで紀伊半島各地の被害情報を耳にすることができました。
和歌山県田辺市本宮町では奥番という集落がひどい被害を受けました。
しかし、本宮町では人的な被害はほとんどないようなので安心しました。和歌山県では新宮市熊野川町や那智勝浦町が大きな被害を受けているようです。
次から夕刻に撮った写真。
熊野本宮大社の社殿は無事です。
第一殿・第二殿が白い覆いをされていますが、屋根の葺き替え工事中のためです。
この参道の石段の10段目くらいまで水が来ました。
石段までの参道は泥まみれでした。
熊野本宮大社の宿坊兼職員の宿所の瑞鳳殿。
泥の筋がわかるでしょうか。
2階も1mくらい浸水しています。
もう利用できません。解体することになります。
熊野本宮大社鳥居前。
熊野本宮大社前の国道。
世界遺産熊野本宮館。建物が傾いてしまいました。
大斎原への参道。鳥居から向こうの敷地は泥が数十cm堆積しているので、長靴がなければ歩けません。
大斎原の下の段は泥が堆積していますが、上の祠のある段には泥が載っていません。
音無川にかかる橋を渡って国道へ。
明治22年の水害の碑。あと数mでここまで届くところでした。
9月6日
熊野本宮大社のお手伝い。
夕刻に停電から復旧。
電話やテレビ、ネットは止まったまま。携帯も使えず。
夜、湯の峰温泉に行き、久しぶりに温泉につかる。あづまやさん、無料で入れてくれました。
小広の辺りまで行くと携帯が通じると聞き、そこまで車で行き、実家に連絡。無事を伝えました。
9月7日
熊野本宮大社のお手伝い。
午後はしんどくなって家に帰って寝込む。
この日のうちに熊野本宮大社の参道の泥は取り除くことができたと思います。
午前中に本宮近辺ではauが復旧。docomoも午後に?復旧。
自宅ではまだ携帯は使えず。
9月8日
山の谷から引いている自分の家の飲料水を連れて来る。
いつもなら1時間半ほどでやってこれるのですが、今回は6時間ほどかかりました。
本宮に出て、携帯で数人に連絡。
本宮町行政局に支援物資が届いていたので、地区の人の分を合わせて物資をもらって行く。新聞ももらう。
9月9日
朝のうちに支援物資を地区の人に渡す。奥への道はまだ通れなかったので、行けるところまで。
その後、重機が入り、夕刻には通れるようになったので、奥の人達にも支援物資を渡しに行きました。
9月10日
体がしんどくなっていたので、体を休ませました。残念ながら無理が利かない体なので。
午後、本宮に出て、携帯で数人に連絡。
9月11日
今日も体がしんどくて家でゴロゴロ。
郵便物が届く。
夕刻、ガス屋さんが来てくれました。これでひと安心。
9月12日
ご近所さんの水が止まったままなので予備のホースを繋いで水を分けました。
国道168号大居地内での通行止めは10時過ぎに解除。片側通行。
午後、本宮に出て、携帯で数人に連絡。
萩に行く。かなり片付いていました。
郵便局の小包が届く。
9月13日
ご近所さんの水連れ。5人で行きました。
水口付近で山崩れした箇所がありましたが、4時間ほどで水を連れて来ることができました。
午後寝込む。
佐川急便の荷物が届く。
9月14日
用事があって三重県熊野市のほうに出かけました。
本宮→国道168号→宮井大橋→国道169号→竹筒→国道311号→熊野市有馬町。
途中道幅の狭い箇所では片側交互通行にしていました。
国道168号は宮井から先は通行止め。 新宮に行く場合でも三重県周りになります。
(本宮→国道168号→宮井大橋→国道311号→風伝トンネル→62号→中立→オレンジロード→紀宝町鮒田→熊野大橋→新宮)
用事を済ませて新宮へ。
国道42号は普通に通れます。
花の窟。観光客もいて嬉しかったです。
七里御浜。
熊野速玉大社参拝後、新宮市内でお買い物をして帰途に着きました。時間があれば那智勝浦町にも行きたかったのですが。
家に帰ったら、携帯電話から電話もネットもできるようになっていました! テレビも見られるようになっていました!
あとはパソコンのネットと固定電話です。
9月15日
パソコンのネットつながるようになりました!
もしかしたら昨日からつなげられたのかな?
1ヶ月くらいネットは無理かなと覚悟していたのですが、ZTVさん、がんばってくれました。
クロネコヤマトの荷物が届く。
本宮町に関しては徐々に復旧が進んできています。
近くのスーパーもガソリンスタンドも営業を再開しましたし、道路も迂回路を使えば、新宮へも田辺へも行けます。
熊野本宮の町は、昔から水害とともにある町。
また復興しますので応援よろしくお願いいたします。
9月18日
固定電話復旧。
(てつ)
2011.9.15 UP
2011.10.4 更新
参考文献
- 後誠介『紀伊半島大荒れ 大地の成り立ちからみた豪雨災害』はる書房
紀伊半島大水害を大地の成り立ちから説明。2022年刊行。