み熊野ねっと 熊野の深みへ

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荻原規子『風神秘抄』徳間書店

平安末期の日本を舞台にしたファンタジー

 荻原規子さんのファンタジー小説。

 平安末期、平治の乱から物語は始まります。

 「お告げがあったとか、その手合いなのか? 言っておくが、熊野権現のお使いがどうのこうのという話だったら、おれは聞く耳をもたんぞ。熊野で信心するのは清盛のくそだ」(31頁)

 「熊野」という言葉が初めの方からちょこちょこ出てきます。そしてカラスが重要なポジションで登場してきます。
 主人公の少年は熊野巫女姿の少女と出会います。熊野山伏も登場。

 読み終えるのがもったいなくてちびちびと読みました。

 「……南の半島の海ぎわに、豊芦原じゅうでもっとも確実に異界へ通じる場所がある。なんといっても、黄泉の国へおわたりになった国生みの女神の墓所だからだ。そのあたりの土地を、人間たちは紀伊国と呼んでいる。熊野とも呼ぶ」

 神武を導いた八咫烏の正体。後白河上皇がなぜ熊野に34度も熊野御幸を行なったのか。

 熊野本宮花の窟が重要な場所として登場。 物語は熊野で終わります。

 第53回産経児童出版文化賞・JR賞、第46回日本児童文学者協会賞、第55回小学館児童出版文化賞を受賞。

アンダンテ日記(荻原規子さんのブログ)

荻原規子『RDG レッドデータガール はじめてのお使い』

荻原規子『RDG2 レッドデータガール はじめてのお化粧』

(てつ)

2009.2.4 UP
2023.2.11 更新

荻原規子さんの著作

風神秘抄の続編