剣巻
源氏重代の名剣をめぐる中世の物語『剣巻』を現代語訳。
『剣の巻』によると、源氏に代々伝わる名刀「膝丸」は一時期、熊野権現の元にありました。
「膝丸」は源満仲が作らせ、その名を付けました。源頼光のときに「蜘蛛切」と名を改め、源為義のときに「吼丸」と改めました。
その後、為義の娘(丹鶴姫)の婿である熊野別当教真(行範のことか)に引出物として譲られましたが、教真は「源氏重代の刀を自分が持つべきではない」と、熊野権現に奉納しました。
後に熊野別当湛増から源義経に吠丸が贈られ、それを喜んだ義経は「薄緑」と名を改めました。その名は熊野の春の山に由来します。
(てつ)
2019.9.19 UP